コペンGRスポーツvsアルトワークス オーナー目線で比較してみた①

ダイハツ コペンGRスポーツとスズキ アルトワークスを比較してみます。

長くなってしまったので数回に分けて掲載していきたいと思います。

 

それぞれのクルマの特徴

スズキ アルトワークス

アルトをベースにエンジンにR06A(ターボ)、トランスミッションに5MTもしくは5AGS(AMT)を組み合わせたうえで、ボディのスポット溶接増し打ちやタワーバーを装着しボディ剛性も高めることで、より走りに振ったグレードになっています。

その上で値段は160万円程度とお手頃で、フロントシートにはレカロシートを採用し、5MTを選べることは勿論2ペダル車に関してはMTベースの5速セミオートマチックとなっているなど非常に魅力的なクルマです。

 

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ダイハツ コペンGRスポーツ

2014年から販売されている2代目ダイハツコペン。

2シーターのオープンカーで、グレードごとにデザインが異なります。

ローブ、セロ、エクスプレイという3種類のモデルバリエーションに加え、それぞれにレカロシートやビルシュタイン製ショックアブソーバーが組み合わされた”S”グレードが存在します。

その3種類のモデルバリエーションに新たに加わったのが2019年10月に発売された”GRスポーツ”です。

これはトヨタが”Toyota Gazoo Racing”でのレース活動を通じて培ったノウハウ取り入れて作られたグレードとなっていて、このグレードのみトヨタでも販売されます。

GRスポーツではバンパーなどのデザインの変更は勿論、ボディ補強やパワーステアリングの専用チューニング、足回りのスプリング・ダンパーの変更などクルマの基礎部分においても変更されています。

同時に、本来オプションとなっているBBSホイールが標準装備となり、5MTを選ぶとスーパーLSD(リミテッドスリップデファレンシャル)が標準装備となります。(CVT車には設定なし)

価格自体はベースとなる”Robe(ローブ)”で190万円程度とやや高めで、”GRスポーツ”に関しては240万円程度と軽自動車という枠では高額な部類に入ります。

 

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アルトワークスとコペンGRスポーツ、それぞれの良いところ

ここではアルトワークスを3年半乗った経験と、コペンGRスポーツを1000キロほど乗った経験を基にそれぞれの良いところについて書いていきます。

アルトワークスの良いところ

  • ボディ剛性が高い
  • レカロシートが優秀
  • 5MTのフィーリングが良い
  • クロスしたギア比
  • レスポンスの良いアクセル
  • 実用性が十分
  • 燃費が良い
  • カッチリとしたステアリングフィール

以上のようなところが3年ほどの所有期間を通してアルトワークスの良いところだと感じました。

それぞれについて詳しく書いていきます。

 

ボディ剛性が高い

ボディ補強の効果もあり、ボディ剛性は純正サスペンションであれば十分なレベルです。

純正サスペンションはかなりハードで街中ではかなりゴツゴツとした印象がありますが、それを受け止めるボディ剛性がしっかりしていることから乗り心地が悪いというより引き締まっているといった印象が強いです。

 

レカロシートが優秀

アルトワークスはレカロシートが標準装備となっています。

それも、レカロ社がアフターパーツとして販売されているものに近いデザインとなっているのですが、これが非常に良いです。

シートのウレタンの設計も良く、長時間の運転でもシートが原因で身体が痛くなることは稀です。

シートのサポート性自体も十分で一般的な使い方ではまず不満を感じないでしょう。

 

5MTのフィーリングが良い

アルトワークスの5MTはフィーリングが良いトランスミッションです。

コクコクと節度感があり、ストローク自体も長すぎずシフト操作が非常に簡単です。

どんな操作をしようが受け付けてくれる懐の深さがあり、シフトの入りにくさなどに悩むことなく操作することができます。

 

クロスしたギア比

アルトワークスの5MTはクロスしたギア比を採用しています。

クロスしたギア比(ギアごとのエンジン回転の差が小さいギア比)を採用することで加速自体は非常によく、適切な回転数を保ちやすいクルマです。

また、エンジン自体も現代流の実用性を持ったものなので、シフト操作をさぼってもどこからでも加速してくれる懐の深さがあることから扱いやすいクルマになっています。

 

実用性が十分

ベースとなるのはアルトなので実用性は十分です。

リアシートも広々としていて十分実用性を持っていますし、トランクに関しても十分な量は確保されています。

 

燃費が良い

アルトワークスは車重が軽いことから街中でも燃費が良いです。

東京23区内の渋滞がひどい地域を走ってもリッター13キロを下回ることは稀ですし、バイパスをメインで走るとリッター20キロを軽く超えてくれることもしばしば。

道が空いている時間帯では一般道でもカタログ燃費を達成することも可能です。

 

カッチリとしたステアリングフィール

アルトワークスのステアリングフィールは比較的カッチリしたものとなっています。

現代のクルマらしく軽めのフィーリングになっていることから重たいステアリングフィールが好きな方にとっては物足りないものとなるかもしれません。

しかし、街中での扱いやすさを考えるとちょうど良いバランスだと感じました。

特筆すべきはセンター付近のフィーリングで、剛性感のある操作感によって切り始めの微細なコントロールがとてもしやすいです。

 

このようにアルトワークスはとにかくカッチリとしていながら、軽く実用性も持ったクルマです。

スポーツカーというよりはハイパフォーマンスカーという印象が強いのですが、街乗りから峠まで運転するのが楽しくなるクルマです。

 

 

コペンGRスポーツの良いところ

  • 屋根を開けることができる
  • 車内の雰囲気が良い
  • マフラーの音が良い
  • 純正でスポーツマフラーのオプションがある
  • 街中で扱いやすいギア比
  • 扱いやすいアクセルセッティング
  • 運転しやすいドライビングポジション
  • 快適な乗り心地
  • しっとりとしたステアリングフィール
  • 対話のしやすい5MTのフィーリング
  • 良好な燃費

 

屋根を開けることができる

これはオープンカーが好きな方にとっては変え難いものなのではないでしょうか。

私自身、オープンカーを実際に所有してみて屋根を開けて走ることの気持ちよさに嵌りました。

納車されたのは12月なので冬ですが、暖房をしっかりかけて帽子をかぶれば寒さと暖房が織り交ざった感覚がとても心地よいです。

上を見上げれば空が見え、いつもは聞こえない様々な音が聞こえてくる。

屋根がないからこその楽しさがそこにはあります。

 

車内の雰囲気が良い

これは賛否両論あると思いますが、個人的にはタイトで必要最低限の車内がスポーツカーらしくとても心地よいです。

余計なボタンがないことから各種操作もしやすく運転がしやすいクルマです。

 

マフラーの音が良い

私のクルマは後述するHKSスポーツマフラーを装備しているのですが、純正ノーマルマフラーも十分音が良いです。

屋根を閉めているとあまり感じないかもしれませんが、屋根を開けていればエンジンを吹かすと心地よい音が響いてきます。

 

純正でスポーツマフラーのオプションがある

HKSスポーツマフラー付

コペンにはディーラーオプションとしてHKSスポーツマフラーが用意されています。

これはGRスポーツに限らずすべてのグレードに装備可能となっていて、純正では下向きになっているマフラー出口がHKSスポーツマフラーではストレートでかつ大口径になることから見た目の面でもスポーティなアクセントになります。

勿論マフラー形状が変わるだけでなく、音も派手になります。

アイドリングではあまり派手な音ではありませんが、2000回転を過ぎたあたりから音量が大きくなります。

慣らし中でまだ4000回転までしか回していませんが、とても良い音でこれはオススメのオプションです。

 

街中で扱いやすいギア比

コペンはギア比の繋がりが街乗りにマッチしています。

シフトが忙しすぎず、尚且つパワー不足を感じる場面も少なく街乗りでは非常に扱いやすいです。

勿論、もっとギア比がクロスしていたほうが加速はよくなりますが、日常での扱いやすさを考えればこれで良かったのではないかなと感じます。

 

扱いやすいアクセルセッティング

近年のクルマはアクセルペダルはセンサーにつながっていて、モーターでエンジンの吸気量を制御しています。(ドライブバイワイヤ―)

その為、味付けによってクルマをよりパワフルに感じさせることも可能です。

たとえば、アクセルが1しか踏まれていないのに、エンジンは3踏まれた時と同じくらいのパワーを出せば体感としてパワフルに感じます。

ただし、踏み始め付近ではパワフルに感じますがアクセル全開での加速は変わらないので踏めば踏むほど思ったより加速しないという印象になっていきます。

踏み始めをパワフルに味付けするとアクセル操作も繊細に操作しなければならず、街乗りでは扱いにくい印象になることも。

その点、コペンはワイヤー式(アクセル操作が直接エンジンの吸気量を操作する)に近いレスポンスとなっていて非常に扱いやすいです。

自然な操作感が特徴でしょう。

 

運転しやすいドライビングポジション

コンパクトな車体ながらもドライビングポジションは非常に良好です。

勿論、広さはないもののステアリングやペダルとの距離感、ステアリングの高さなどとてもちょうど良くできています。

アクセルペダルとブレーキペダルの段差も適度で軽いブレーキでもヒール&トゥは可能で、強いブレーキになっても段差があることでアクセルペダルを同時に踏むことも少ないでしょう。

シフトノブは遠目ですが、遠いことで肘がシートにあたってシフト操作がしにくくなるようなこともなく、指先や手のひらで転がすようにシフトをすると非常に操作がしやすいです。

サイドミラーは少し小さいものの死角はあまり感じません。

 

快適な乗り心地

上質な乗り心地を目指したとメーカーが言っている通り、街乗りでの快適性は十分です。

勿論、オープンボディなのでボディ剛性が足りない分かなり荒れている路面では乗り心地の悪さを感じるものの、普通の道ではスムーズで快適な乗り心地を持っています。

峠道で多少飛ばしても激しいロールを感じることはなく、楽しさと日常の快適性のバランスが良いです。

 

しっとりとしたステアリングフィール

やや曖昧さを感じる部分はあるものの、路面のざらつきを抑えしっとりとしたステアリングフィールになっています。

ステアリング自体も手触りが良く、しっとりとしたステアリングフィールとあわせてステアリングを握ることが心地よく感じます。

 

対話のしやすい5MTのフィーリング

5MTのフィーリングはアルトワークスのようにカチッとしたフィーリングではありません。

曖昧という感じはしないものの、ストロークが長めでややグニグニとした印象があります。

無理やり入れようとすると弾かれますし、一般的に良いとされる5MTのフィーリングとは少し違ったものです。

しかし、シンクロの動きはシフトノブに伝わりやすく、ギアが入るまでの感触がしっかりと伝わります。

クルマと対話しながらシフトノブやクラッチを操作していく、そんなトランスミッションです。

現代的ではありませんが、個人的に乗りこなす楽しさがありとても満足しています。

 

良好な燃費

軽自動車ですからコペンもやはり燃費が良いです。

慣らし中にもかかわらず、リッター15キロを下回ることは稀です。

バイパスメインであればリッター20キロを超えます。

 

ダイハツ車でありながらトヨタGazoo Racingの手が入ったコペンGRスポーツ。

その狙い通りとても上質な乗り味になっています。

上質でありながらもスポーティで、まさに乗ることが楽しくなってしまうそんなクルマだと感じます。

 

ここまでそれぞれの良いところを書いてきましたが、ここで一度記事を分けて次回はそれぞれの悪いところについて書いていこうと思います。

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