時々踏み間違い事故のニュースで取り上げられるのがナルセペダルです。
これはブレーキは踏み、アクセルは足を捻ることで操作するもので、踏むと捻る、まったく別の操作になるため、踏み間違い事故対策に有効という商品です。
捻ってアクセルを押すという普段の生活では行わない動作なので疲労などの不安はありますよね。
ただ、ここでは疲労に関しての部分ではなく事故や故障に繋がる注意点について書いてみたいと思います。
ナルセペダルで注意しなくてはいけないのはブレーキペダルを踏み込まないように注意しなくてはならないということでしょう。
ナルセペダルでは足は常にブレーキペダルの上にあります。
ブレーキペダルはほとんど遊びがありません。
また、遊びの部分は軽いですから、足を乗せてしまった場合遊びを通り越してブレーキに軽く圧が掛かった状態になります。
困ったことに、人間は集中すると身体に力が入るものです。
そのため気づかないうちにブレーキペダルを軽く踏んでしまうのです。
これは左足ブレーキでも注意点となりますが、ブレーキのパッドが見えるホイールなら見てもらえれば分かりますが、肉眼で隙間がほぼ見えないほど少しの隙間しかありません。
そこで軽く圧が掛かればうっすらブレーキが掛かった状態になります。
その結果、最悪ブレーキが利かなくなってしまうことがあるのです。
ブレーキをかけるとブレーキは熱を持ちます。
しかし、ブレーキのパーツは効率的に熱を捨てることができないのです。
そうするとブレーキは熱をためていき、最終的に利かなくなります。
ブレーキを使いすぎるとブレーキが利かなくなるから坂道ではエンジンブレーキを使いましょうと言われますよね。
それと同じ理由で、ブレーキが利かなくなる可能性があります。
こうした熱はブレーキのパーツを傷めますし、ブレーキパッドの異常磨耗にも繋がります。
それ以外にも、ブレーキペダルを軽く踏んでしまうことでブレーキランプがつきっぱなしになってしまう可能性もあります。
そうすると、いつ止まるのか分からなくなり、追突のリスクが高くなりますよね。
軽く触れているだけだと思っていても、実は踏み込んでしまっているパターンが危ないのです。
これは左足ブレーキでも同じで、私自身AT車では必ず左足ブレーキを使っていますがブレーキを踏まないときはペダルから左足を浮かせています。
高速など疲れそうな時はフットレストか、もしなければブレーキの左側に足を置き、足首だけですぐにブレーキに足を移せるようにしてブレーキペダルの上で足を休めることはしません。
人間は無意識のうちに力が入ってしまうものです。
ですから、ペダルに足を乗せないことが安全に繋がるのです。
こうした注意点や、疲労などを考慮するとメーカーが採用できないのも仕方ないのかなという気もします。
ちなみに左足ブレーキに関しても行わないで欲しいというスタンスの自動車メーカーが多いのです。
自動車メーカーは色々な使用環境を想定しなくちゃいけない義務があるのです。
そういったこともありメーカーは誤発進抑制制御などの予防安全技術に頼らざるを得ない部分もあります。
また、踏み間違い事故を減らす方法としてペダルの踏み方を見直すという方法もあります。
これは、ペダル踏みかえの際にかかとを支点にする方法で、かかとがしっかり床についていればペダルの踏み間違いリスクが減ります。
勿論、正しいドライビングポジション(ブレーキを思いっきり踏み込んでも膝が軽く曲がっていて、ハンドルの頂点を持った時にも肘が軽く曲がる)も重要です。
また、ギアを変える時には必ずブレーキペダルを踏みこんでから行うことも重要です。(NからDへはブレーキペダルを踏まなくても入ってしまうメーカーが多い)
こうしたちょっとした心がけでもリスクを減らすことができるでしょう。