今日のオートマチックトランスミッションはとても進化しています。
と言っても、実は10年くらい前から相当な進化を続けていることをご存知ですか?
その中でも今回は登坂制御についてです。
まずは通常のAT車での上り坂での挙動について考えましょう。
上り坂に差し掛かればアクセルを踏み込みますよね。そのままある程度アクセルを踏み込めばダウンシフトが行われます。
通常の再加速とここまでは同じです。
しかし、ダウンシフトが行われれば当然パワーが出て車は加速を始めます。
しかし、上り坂での目的は加速ではなく、速度の維持です。
そこでドライバーはアクセルを戻します。
そこでATは自動でシフトアップをしてしまうのです。
その結果、再びパワーが足りなくなりまたアクセルを踏み込まなくてはなりません。
そうするとATはシフトダウンをするのです。
もうお分かりでしょうか?
これを上り坂が終わるまで繰り返してしまうのです。
これの対策としては、シフトレバーを操作して強制的にギアを固定することでした。
しかし、ドライバーがそんな操作をしなくても良いように傾斜を検知して自動的に低いギアを維持してくれるのが登坂制御です。
そう言った便利な機能なのですが、ATがシフトしなくなりエンジン回転が高い状態でキープされたことに驚いて”故障した”と感じるユーザーもいます。
意外とユーザーの評価は当てにならないことも多いのです。
そのため、メーカーは複雑な制御をあえてしない場合もあるくらいです。
そう言ったATの制御で複雑なことをするのは実はドイツ車勢だったりするのですが、その辺りはまた今度に。
実はオートマチックトランスミッションはただただシフトを繰り返しているだけじゃなく、ちゃんと考えているのです。
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