ヒール&トウとは?なぜするの?どうするの?

今回はヒール&トウについてです。

ヒール&トウって?

ブレーキをかけている時にシフトダウンをしながらアクセルペダルも踏んでエンジン回転数を次のギアに合わせる技術です。

ヒール&トゥとかヒール&トーといった表現をされることもあります。

つま先でブレーキペダルを踏み、かかとでアクセルペダルを踏むことからヒール(かかと)&トウ(つま先)と呼ばれています。

 

ヒール&トウの目的

ヒール&トウはブレーキをかけている時に安定したシフトダウンをするために必要な技術です。

減速中にシフトダウンをしようとするエンジン回転数に差があってショックが発生してしまいます。

シフトダウンの頻度が多いときにはクラッチ自体の温度が上がって熱で不具合がでることも。

シフトダウン時のショックやクラッチへの負担を減らすために必要な技術なんですね。

 

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シフトダウンでヒール&トウが大切な理由

ヒール&トウを理解する上で大切なのはシフトダウンの目的です。

シフトダウンは坂道などでエンジンブレーキが必要なときや、エンジン回転数が下がりすぎてしまって加速できなくなるのを防ぐのが目的です。

ただ、それだけならヒール&トウを使わなくてもいいんです。

エンジンブレーキが必要なときは一瞬ブレーキペダルから足を離してアクセルペダルを踏んで回転を合わせれば良いですし、最悪半クラッチでエンジン回転を合わせても問題ありません。

加速時にエンジン回転数が下がりすぎるのを防ぐためのシフトダウンでも加速する瞬間にはアクセルを踏んでいるわけですから減速が終わったタイミングでアクセルを使ってエンジン回転数を合わせればいいんです。

ただし、エンジンブレーキが必要なときに一瞬ブレーキペダルから足を離すと一瞬速度が上がってしまいますし半クラッチでエンジン回転数を合わせるとショックが発生してしまいますし、加速する瞬間にアクセルを使ってエンジン回転数を合わせようとすることも加速する瞬間にエンジン回転数をあわせるので加速がワンテンポ遅れてしまいます。

ブレーキをかけながらもスムーズなシフトダウンができるのがヒール&トウのメリットなんです。

ちなみにスポーティな走行をしている時にはシフトダウンのショックによってクルマが不安定になってスピンすることがあります。

元々ヒール&トウはそれを避けるための技術なんですね。

ヒール&トウ無しでスムーズにシフトダウンする方法についてはこちら。

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ヒール&トウのコツ

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練習するのは安全なタイミングで

ヒール&トウはブレーキに関わる技術です。

失敗すると事故に繋がりますから前にクルマが居る時など危ないタイミングで練習するのは避けましょう。

あくまで安全第一を忘れずに。

 

大切なのはブレーキ

ヒール&トウで一番大切なのはブレーキです。

ヒール&トウはエンジンの回転数を合わせる技術ですが、減速するときの主役はあくまでブレーキです。

エンジン回転数を合わせることに意識が行きがちですが、まずは安定してブレーキをかけることを意識しましょう。

ブレーキで失敗すると事故に繋がりますし、エンジン回転数を合わせようとするあまりブレーキペダルから足が滑ったりすると大変危険です。

まずは安定してブレーキをかけつつ、かかとでアクセルペダルを踏む練習から始めましょう。

 

ペダルの踏み方を工夫する

ヒール&トウをする上でペダルの踏み方というのも大切です。

ペダルの形や位置というのはクルマによって違うのでそれに合わせた踏み方を探しましょう。

足の幅や足の大きさにもよりますが、基本的にはブレーキペダルの右寄りの部分を踏むことになると思います。

また、ヒール&トウと言いつつも必ずかかとでアクセルペダルを踏まなくちゃいけないわけではなく、足をひねってアクセルペダルを踏めればどんな形でも大丈夫です。

 

つま先を軸にかかとを動かす

ヒール&トウで一番怖いのはブレーキペダルを踏み外すことです。

ヒール&トウの時にはブレーキを軸にかかとを動かしてアクセルペダルを踏むことになります。

しかし、かかとを動かすときにブレーキペダルに足を押し付けてブレーキペダルを軸にする癖がついてしまうと弱いブレーキの時やブレーキペダルが軽いクルマに乗った時にヒール&トウが使えなくなります。

ブレーキペダルが滑りやすかったりすると踏み外すリスクも増えてしまいますからブレーキペダルに足を押し付けて軸にするのはオススメしません。

ブレーキペダルを軸にするとブレーキを踏む力も安定しなくなりますから、基本的にはつま先を動かさないように意識しつつつま先を軸に足を回転させるのが良いでしょう。

 

エンジン回転数はちょっと高めにする

エンジン回転数がちょっとでも低い時にクラッチを繋ぐと強めのショックがでてしまいます。

それに比べるとエンジン回転数が高いときのほうがショックが出にくいです。

また、エンジン回転数が高すぎた時には待てば自然とエンジン回転数が落ちて回転が合いますから、ヒール&トウの時にはほんのちょっとだけエンジン回転数を高めにすると良いです。

大体500回転くらい高めにしたほうがヒール&トウはやり易くなります。

 

減速度合いによってアクセルの踏み込みが変わる

強く減速している時には素早くタイヤの回転数が落ちていきます。

それと同時に次のギアの回転数も落ちていますから強い減速をしている時には、ヒール&トウのアクセルの踏み込み量は少なくする必要があるんです。

強く減速している時に弱く減速している時と同じようにアクセルペダルを踏むとエンジン回転数が高くなりすぎてしまってクラッチを繋いだ時に強いショックが出てしまうんですね。

弱い減速ほどアクセルの踏み込み量は増えていくということは頭に入れておいたほうが良いでしょう。

 

ダブルクラッチを組み合わせたヒール&トウ

これは慣れるまで非常に難しいテクニックです。

通常のヒール&トウではクラッチペダルを踏みっぱなしなのに対して、ダブルクラッチを使うとクラッチペダルをシフト操作に合わて踏みなおさないといけないからです。

つまり、ダブルクラッチを使いながらヒール&トウをすると床から両足が離れてしまうんですね。

身体が安定しないので非常に難しいのですが、クルマの負担が減りますし場合によっては1速ギアへのシフトダウンなんかもできてしまうので使えると便利なテクニックではあります。

とはいえ使えなくても今のクルマでは問題のない技術です。

ダブルクラッチについてはこちらの記事がオススメです。

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ヒール&トウが使えると街中でもスムーズ

MT車というのは変速が必要な分、街中では対応が難しいタイミングが出てきます。

そんな時に使えるテクニックが多いとMT車がとても乗りやすくなります。

ヒール&トウは必須テクニックではありませんが、MT車をスムーズに運転するためには必要な技術でしょう。

 

 

 

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