コペンの2速ギアがゴリゴリする問題。問題を推測していきたいと思います。
コペンのトランスミッション問題
私のコペンは2速ギアへのシフト時にかなりゆっくりシフトしないとギアがゴリゴリしたり、ゴッというギアがぶつかっている音がします。
既にトランスミッションオイルは交換していることからオイル由来といったものではありません。
また、3速から2速へのシフトダウンは全く問題なく行えることからシンクロの不良といったことも考えにくいです。
しかも、シンクロの能力が下がるはずのトランスミッションオイルが冷えた状態ではゴリゴリすることは絶対ないのでますますシンクロに問題あるとは思えません。
そして、トランスミッションオイルがある程度暖まるとシフトアップ時に節度感がなく、1速からのシフトアップでニュートラルから2速に入るときに全く抵抗感なく入るにもかかわらず、ギアがゴリゴリします。
追記:対処法が分かったので記事にしてあります。
納車時からゴリゴリとしたフィーリングが強かったコペンのトランスミッションですが、改善方法を見つけました。2022年6月改稿発進でクルマが動きだした瞬間のクラッチ操作を丁寧にした[…]
コペンのトランスミッションの状況
- Rギアへは止まっていてクラッチをしっかり切ればギアが入ることからクラッチに問題はない。
- 2速ギアに関してもシフトダウンは問題ない
- 1速から2速へのシフトアップでは低回転でもゴリゴリする。
- 1速から2速へのシフトアップでは高回転でも低回転でもゴリゴリする度合いは変わらない。
- 高回転でシフトしてもギア鳴きするようなことはない。
- 1速や2速へのシフトダウンが硬い。
- 1速からギアを抜くときに引っかかるときがある。
- ミッションオイルが冷えている時はギアが抜けにくく、2速ギアへも入りにくい(但しギア鳴きはせず、ゴリゴリもしない)
- 時々1速ギアに入りきらないときがある。(最後の最後で引っかかる感じ)
推測してみる
クラッチが原因のギアが入りにくい問題に似ている
以前記事で取り上げたギアが入りにくいときの対処法。
その時の記事はこちら。
これの症状と一部かぶっている部分があるんです。
1速ギアに入りにくいところや1速ギアから抜けにくくなるところ、1速・2速へのシフトダウンが硬い部分とかです。
しかも、以前のクルマでクラッチジャダーが起きたときには2速ギアがゴリゴリすることもあったのでコペンの症状と近い部分があります。
こういったことからクラッチが原因なんじゃないかと疑っています。
原因はクラッチ?
アルトワークスではクラッチジャダーは解消していたものの、シフト時にスコンと入ることはありませんでした。
若干引っかかる感じがあり、ゴリゴリとすることはないものの試乗車のようなフィーリングが得られなかったのです。
具体的な解決策までは見つけられませんでしたが、クラッチの使い方によってシフトフィールが変化していたのでコペンでも変化があるはず。
そんな推測の元、実際試してみるとコペンでもクラッチの使い方で症状が変化することがわかりました。
コペンの症状の推測
一般的MT車に採用されている乾式クラッチはその構造上クラッチを切っても軽く引きずりが残ります。
バイクやツインクラッチ式ATに使われるオイルに浸かっている湿式クラッチに比べるとその度合いは少ないものの、多少引きずることは確実です。
その引きずりが過大になるとすべてのギアでシフトが硬くなってギアが入らなくなっていきます。
コペンの症状は2速ギアのみなので引きずりが過大ということはありません。
引きずっていれば一番入りにくいはずの5速ギアに関しても何の抵抗もなく入るのでますます引きずりが過大というのはなさそうです。
ただ、1速・2速へのシフトダウン時にはシフトが異様に硬くなり、シフトアップではシフト操作に必要な力が異様に軽いので、逆にクラッチの引きずりが少なすぎるのではないかと推測します。
本来クラッチの引きずりによってある程度打ち消されるはずのオイルの抵抗がそのままギアを減速させているのだと考えればシフトダウン時の硬さやシフトアップ時の異様な軽さも説明ができます。
2速ギアのゴリゴリはトランスミッションオイルの抵抗によってシンクロの働きに悪影響が出ているのではないかという推測ですね。
シフト力が異様に軽いのは、本来シフト時にはギアの回転が合うまではギアの入り口でブロックされるべきところをトランスミッション内部の過度の減速によってブロックされることなく入ってしまうのではないかと。
実際にそんなことが起こるのか、謎ではありますが状況的にはそれが一番妥当なのではないかなと思います。
ちなみに、シフトダウン時にダブルクラッチをすると次のギアの回転数より数百回転高い回転数でシフトしないと入らないのでトランスミッション内部の抵抗が大きすぎてギアが過度に減速しているということの証明にもなっています。
解決策の推測
一番簡単にゴリゴリ感を低減したいのであれば、ミッションオイルの粘度を上げることで対処できます。
鉱物油だと冷えてるときに全くギアが入らなくなりそうなので化学合成油が妥当でしょう。
しかし、それの代償として2速ギアへのシフトダウンがより硬くなる気がするんです。
1速へは完全停止時以外はギアが入らなくなるでしょう。
結果クラッチの状態を改善するのが一番の対処法なんじゃないかなと思います。
現在実験中の対処法
現在コペンで実験しているのはクラッチ操作の癖を変えることによる改善です。
私は以前から発進時には1500回転以下でクラッチを繋ぎ、クラッチが完全につながるまではアクセルを深く踏まないような運転を心がけていました。
ほぼアイドリングくらいの回転数で発進することも多かったです。
シフト時にも回転を完全に合わせて半クラッチをできるだけ使わないようにしていたのです。
それをあえて半クラッチを使う方向に変えました。
発進時には1500回転以上を意識し、2000回転前後まで回転を上げて半クラッチをしています。
ちなみにシフト時には従来の通り半クラッチは少なめにスパっとつないでいます。
これによって結構クラッチについた癖も変化して、以前は若干シビアな印象もあったクラッチフィールがかなりマイルドで扱いやすいものになってきました。
トランスミッションオイルが冷えている時のシフトの硬さやシフトの抜けにくさも若干和らいでいる気がします。
気を抜いて早すぎるシフト操作をすると2速ギアはゴリゴリしますが以前よりも素早いシフトができるようになり、すべてのギアでスパっと入りやすくなっています。
勿論クラッチを焼くような操作は厳禁ですが、半クラッチをしっかり使ってあげることは効果があるようです。
もしこの後より改善が進めばクラッチもしくはフライホイールの表面状態が原因ということになります。
新車時から違和感があることの推測
これはフライホイールもしくはクラッチの表面処理の問題なのではないかと。
クラッチもしくはフライホイールの表面粗さが適切ではないために新車状態からゴリゴリしていたという推測ですね。
この辺はトライボロジーの領域になるんでしょうが、今更MT車でこれを改善することはないかもしれませんね・・・。
ただ、ツインクラッチ式ATが出たんですからもう少し研究が進んでも良い気がするんですが。
自動車メーカーがMT車を嫌がるのはこうした原因不明のギア同期不良があるからかもしれませんね。
ネットを調べるとどのメーカーでもこういった問題はありますし。
ただ、トルクコンバーターを使ったATでもクラッチは使いますし、ツインクラッチ式ATでもクラッチは使っていて、CVTにもロックアップクラッチが使ってあるのでこの辺をしっかり解決すれば不具合の件数も減るような気がします。
今までMT車のクラッチに起因するトラブルは多すぎる半クラッチによるクラッチ板の焼損(クラッチ焼け)など物理的破損によるものとされてきており、ギアの入りの悪さに関してはトランスミッションの設計やシフト操作が原因とされてきたためにクラッチやフライホイールには着目されていないのでしょうか。
実際ジャダーに関してもクラッチ交換しか対策はありませんという記事しか見かけないことを見ればますますそう感じますね。
ちなみにトランスミッション交換で効果があったりするのはその時にフライホイール表面を整えているからなのではないかと思います。
半クラッチを多めにしてもう少し距離を走ってからまた記事を書きたいと思っています。
ただ、現状確実にわかっていることとしては、アイドリング付近での発進にこだわりすぎるのはやめたほうが良いでしょう。
緩めの半クラッチが増えることでジャダーの原因になりやすく、クラッチダンパースプリングにも悪影響ですから。