コペンに4000キロほど乗ってエンジンに関してもアルトワークスとの違いが分かってきたのでそれに関して書いていきたいと思います。
同じ660CCターボでも性格は大分違う
660CCに制限されている軽自動車のエンジンですが、やはりエンジンによる違いというのは以外と大きいです。
アルトワークスの時にはあまり意識していませんでしたが、コペンを4000キロ乗ってエンジンの性格の違いが思ったよりも大きいと感じました。
どこからでも加速するアルトワークス
アルトワークスのエンジンはとにかくトルクフルです。
どこからでも加速していきます。
軽さも相まって、キビキビ走らせたときにもシフトダウンの必要性を感じないことが多いです。
強く加速するときにも3000回転以上であれば十分で、街中では2500回転でも不足は感じる場面はまずないでしょう。
アクセルセッティングは前半部分で大きく開くセッティングになっていることからとにかく速い印象が強いです。
前半部分で大きく開くアクセルセッティングであることからアクセルコントロールはシビアですが、不思議なことに微調整をしっかりとしてあげればちゃんと言うことを聞いてくれることは特筆すべきポイントです。
スポーツカーとして楽しいコペン
コペンのエンジンは現代基準で言えばはっきり言って実用的ではありません。
低回転のトルクは細めで、そもそも最大トルクのポイントも高めで最新のエンジンに比べると少し古臭い感じが付きまとうエンジンです。
ターボ付きなので決して遅くはありませんが、アルトワークスと比べてしまうとアクセルを踏んでも思ったより速度が伸びない感触が付きまといます。
ではコペンのエンジンはダメなのかといえば、そんなことはないと思います。
まず、このクルマはスポーツカーであるという点です。
低回転からトルクが豊かなエンジンは実用車には最適ですが、スポーツカーでは必ず面白いということには繋がりません。
勿論、加速が良ければ楽しいですし最新のATと組み合わせれば更なる速さにつながります。
しかし、スポーツカーの楽しみは加速だけではありません。
加速の仕方も重要です。
低回転からトルクが豊かなエンジンは加速は良いですが、エンジンを高回転まで回す意味はなくなりますし大抵の場合高回転まで回しても高揚感に乏しいです。
どちらかと言えばパワーを楽しむ傾向になります。
アルトワークスがまさにそれで、レッドゾーンの始まる7000回転まで回しても旨味は少なく、トルクの谷が5500回転付近に存在するので速さの面でもエンジンを回す意味というのは感じなかったです。
それに比べるとコペンはエンジンを回すことの重要性を感じます。
つまり、エンジンを回さないと遅いんです。
シフトをさぼって3000回転から強く加速しようとすると音の割に全く加速しません。
しかし、そこから回転が上がっていくごとにパワーが伸びていくことからフィーリングとしては良好です。
もちろん、街中では3000回転以下でもトルク不足を感じることはあまりありません。
ただ、強く加速しようとするときには適切なシフト操作が必要です。
要するにドライバーの腕(適切な判断力)が要求されるんですね。
そうした面があることからスポーツカーとしては楽しいエンジンです。
その反面CVTと組み合わせると若干もっさりとした感覚は強くなってしまうかもしれませんね。
コペンのエンジンは実用エンジンとしては失格
スポーツカーとしては最適と書いたコペンのエンジンのトルク不足に関してですが、街乗りでは意外と大きな欠点になってきます。
まず、ギア比の問題です。
コペンはギア比的に街乗りでは加速に最適な回転数を得られません。
もし街乗りで最適な加速を得ようとすると1速ギアを使うことが必要で、発進加速ではよくても再加速の際には2速ギアでの加速になってしまいます。
そうするとコペンはようやくパワーが盛り上がってきたところで制限速度になってしまい、全くパワーを生かせません。
高速の合流ではパワーを使えますが、一般道ではパワー不足感を感じます。
ただ、ギア比としては悪くなくアルトワークス同様街乗りでは扱いやすい繋がりになっていることから普通に走れば十分です。
あくまでパワーを楽しみたいときに不足を感じるといった具合ですね。
また、MT車のアクセルセッティングはワイヤー式スロットルに近い特性を持っていて非常に扱いやすいのですが、なぜかアクセル踏み始めの制御がラフで扱いづらさを感じるエンジンです。
音はコペンの圧勝
私のコペンは純正オプションのHKSスポーツマフラーが付いていますから完全ノーマルのアルトワークスと比較するのは少し卑怯な感じがしますので、これに関しては以前乗ったノーマルコペンと比較します。
アルトワークスのエンジンは雑音こそ少ないものの、盛り上がりはあまりないエンジンです。
ただ、雑音が少ないことで回した際にはエンジン音そのものは楽しめますが、スポーツカーとしては若干物足りない感覚の強いクルマです。
それに比べるとコペンは非常に音が良いです。
実用上加速で最も良く使う3000回転~4000回転前後の音はよく調律されてマフラーからの低音とエンジン音のバランスがちょうど良く、屋根を閉めていればエンジン音が主体の良い音がしますし、屋根を開けているとマフラーからの良い音が加わることで非常楽しいです。
私のクルマはHKSスポーツマフラーが付いていることで2000回転~3000回転前後でもマフラーからの低音が主張してきます。
実用一辺倒に近いアルトワークスに比べると非常に手間暇かけたエンジンという印象が強いです。
どっちのエンジンが良いのか?
これはもはや好みの問題です。
現代のクルマ造りの基準に照らし合わせればアルトワークスのエンジンが正解ですが、個人的にはコペンのエンジンが好きです。
トルクを使って走らせる人にはアルトワークスのエンジン、エンジンを回すのが好きな人にとってはコペンのエンジンが正解でしょう。
CVT車はフィーリングが変わります
CVT車において、アクセルはトルク要求ペダルでエンジンそのものを制御しているものではありません。
厳密にはMT車でも目標トルクになるようにエンジン以外の負荷を考慮してエンジントルクを決めているのですが、CVT車の場合はトランスミッションも含めて制御されています。
そのことから、MT車の走行フィーリングはCVT車の走行フィーリングには繋がりません。
勿論こうしたエンジンの欠点をカバーできるのがCVTのメリットでもあるのでCVT車ではより実用的なエンジンになっていることが予想されます。
実際CVTコペンを試乗した際、試乗レベルではトルク不足を感じることはありませんでしたので。