ブレーキフィールはあてにならない

雑誌などでよく聞くブレーキフィール。

意外とあてにならないんです。

 

ブレーキフィールって何?

ブレーキを踏んだ際の減速度合いやペダルの感触などをまとめてブレーキフィールと言います。

止まる際のコントロールのしやすさなどに影響する部分で、速く走らせたときだけではなく緊急停止など安全面でも重要な部分です。

 

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ブレーキフィールはクルマごとに違う

クルマによってはブレーキフィールが良くないクルマなんて言われることもありますね。

ですが、あてになりません。

まず、ハードな走りをしたクルマではパッド表面が熱で劣化していたり、ブレーキフルード(ブレーキオイルと呼ぶ場合もある)も劣化していたりしてフィーリングが悪くなっている場合があります。

パッドの食いつきが良すぎるクルマでは逆にカックンブレーキになりにくいことからハードに走った車のほうがフィーリングが良くなります。

ちなみに、ブレーキのかけ方の丁寧さでもフィーリングが変わります。

さらには整備状態でも変わってきます。

ブレーキは随所にグリス(潤滑剤)が使われています。

それを適切に塗ることができているのかによっても違いますし、走行距離の進んだ個体ではグリス切れで動きが渋くなっていることもあります。

そういった理由でフィーリングなんていうのは当てにならないんです。

 

フローティングキャリパーは要注意

ここではディスクブレーキについてです。

重たいクルマやスポーツカーでは両側にピストンが付いている対向ピストン式のキャリパーが付いていることもありますが、小型や中型のクルマなど一般的なクルマではフローティングキャリパーがメジャーです。

フローティングキャリパーはブレーキパッドを押すピストンが片側からしか押さない構造のブレーキで、反対側のブレーキパッドはピストンがパッドを押した反力で押すようになっています。

反力で押すようになっているのでピストンがある側とピストンがない側を繋ぐ機構(スライドピン)があるのですが、それが鬼門でそこの整備の仕方によってフィーリングは全く変わってきます。

ディスクブレーキではその構造上ブレーキパッドは表面を軽く引きずっています。

その引きずり度合いがスライドピンの整備の仕方で変わってくるんです。

アルトワークスの時にはスライドピンの整備の仕方で燃費が1キロくらいは変わりましたし、Nに入れた状態やクラッチを切った状態でブレーキを離した際に、ほんの少しの勾配でも抵抗なくクルマが転がるようになりました。

今のコペンでも新車時からどこか発進が重たいような感覚があったのですが、スライドピンの整備によってそういった症状はなくなったのです。

ブレーキの効き方も変わって以前よりもリニアに効くようになりました。

フローティングキャリパーのクルマでは整備した人によってフィーリングが全く変わってしまうんですね。

ですから、フローティングキャリパーを使ってるクルマでは尚更フィーリングなんていうのは当てになりません。

 

ブレーキフィールで当てになるのはカッチリ感

ではブレーキフィールで当てになる部分はないのかと言えばそんなことはありません。

基本的にブレーキがカッチリしているかどうか、剛性感というのは当てになります。

大抵の場合止まってる状態でブレーキを何度も踏んでブレーキサーボの負圧が抜けた状態のほうが評価しやすいかもしれません。

ドイツ車はそこがすごくしっかりしています。

ちなみに、年式は忘れましたがイギリス仕様のトヨタオーリスは日本仕様のオーリスとは比べ物にならないくらいブレーキ剛性が高かったです。

(イギリス仕様のオーリスはお台場にあるトヨタの施設 ”MegaWeb”に行ったときに日本仕様とは別の階においてありました。)

そんな感じで、走行中のフィーリングなんて個体次第なんだというお話でした。

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