AT車のMTモードはいつ使うのが良いのか

最近はAT車でも自分でギアを選べるMTモード付きの車が増えてきましたが、どんなタイミングで使うのが良いのでしょうか?

 

MTモードってどんな機能?

MTモードはAT車のギアを手動選択できる機能です。

構造に関係なく、自動変速されるトランスミッションの手動変速機能のことはMTモードと呼ばれます。

従来から“3” “2” “L”といったシフトレンジを使えば手動でギアを選ぶことができましたが、それをより使いやすくしたものです。

本来、固定ギアは存在しないCVTにおいてもギア比を固定することでMTモードを設定している車種もあります。

また、同じMTモードでも特定のギアを選択できる車種と、指定したギアまでは自動変速する車種が存在します。

 

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MTモードのメリットって何?

MTモードのメリット

その1「エンジンブレーキを簡単に制御できる」

従来から“2”レンジなどを使うことでエンジンブレーキの強さを変えることは出来ました。

しかし、若干操作がし難くミスシフトもしやすかったのが欠点です。

それを解消したのがMTモードです。

MTモードに切り替えればシフトを“+”や”-“側に動かすだけでワンタッチでシフトチェンジができます。

 

その2「加速に備えてエンジンを高い回転にキープできる」

AT車は基本的にアクセル操作に応じて変速されることから、加速がアクセル操作からワンテンポ遅れてしまったり、シフトダウン時にショックが出ることがあります。

MTモードを使って事前にシフトダウンしておけばそういったAT車のデメリットを減らすことができます。

また、上り坂でシフトアップとシフトダウンを繰り返してしまう場合にもギアを固定しておいたり、事前にシフトダウンしておくことでよりスムーズに走ることが可能です。

ただし、最新のATではカーナビの地図データから先を予測して事前にシフトダウンする機能がついている場合もあります。

 

その3「加速時に狙ったタイミングでシフトアップできる」

AT車の場合、加速時にも燃費を意識したギア選択をします。

アクセル操作に応じた加速が出来るように設計されているものの、燃費を意識したがために反応が鈍すぎる瞬間が多々あります。

そんな時にMTモードを使い高いエンジン回転を使うことで、より思い通りの走りをすることができます。

 

その4「スポーティな走りが出来る」

その2やその3と被りますが、MTモードではエンジン回転を高めに維持できるのでスポーティな走りが出来ます。

エンジン回転数を高めることで音に盛り上がりがあり、エンジンパワーやエンジンブレーキを有効に使うことができます。

エンジン回転を高めるのはあくまで加速に備えるための操作ですが、カーブを曲がる時にはエンジン回転を高めて適度なエンジンブレーキがあるとクルマをコントロールしやすくなります。

ただしエンジンブレーキが強いとアクセル操作によって挙動が不安定になりやすいので注意が必要です。

 

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MTモードのデメリット

その1「DレンジでNに入れてしまうことがある」

これはMTモードに直接関係はありませんが、Dレンジの時にMTモードだと思ってシフトレバーを操作してしまうことがあります。

その結果、走行中にN(ニュートラル)レンジに入ってしまうのです。

もしNレンジに入ってしまったなら、アクセルを踏んでいる時にはアクセルを戻して、踏んでいなければそのままDレンジに戻せば問題ありません。

 

その2「不適切なシフトをしてしまうことがある」

手動で変速していることから、操作によっては不適切なシフトになってしまうことがあります。

不適切なシフトと言っても無理なシフト操作は無視するように作られているので、燃費が悪くなったりするだけで壊れたりはしません。

ただし、シフトダウンによる強いエンジンブレーキは制限されませんから、シフトダウンでエンジンブレーキを使う時には追突のリスクがあるので注意が必要です。

 

その3「シフト操作を繰り返すとATの寿命に影響する」

MTモードは基本的に無理なシフト操作を受け付けないようにできてはいますが、短時間にシフト操作を繰り返したり必要のないシフト操作をすればその分ATの寿命に影響します。

また、サーキット走行のようにトランスミッションオイルの温度が上がってしまう状況も寿命に影響します。

加減速が多い状況ではMTモードの方がシフト回数を減らせる場合もありますのでMTモードそのものが悪いわけではありません。

 

その4「トランスミッションによっては効率が落ちることもある」

普通のATやMTベースのATの場合には影響ありませんが、CVTの場合には注意が必要です。

CVTのメリットは固定ギアがないことによってエンジン回転を最適な範囲に保っています。

ですが、CVT車のMTモードはあえて固定ギアがあるように変速するモードなのでCVTのメリットを生かせません。

そう言ったことがあるのでCVT車の場合にはMTモードでは効率が落ちてしまうのです。

 

その5「ショックが出てしまうことがある」

ATは様々な条件でスムーズかつ効率よく走るようにできています。

しかし、MTモードでは人為的にシフト操作のタイミングを決めるので想定しきれていないタイミングや構造的に対応できない領域があります。

そういった領域ではショックが出てしまったり、シフト完了まで時間がかかってしまいます。

ですから、基本的には自動変速するタイミングがATの最良のシフトタイミングと呼べるでしょう。

 

MTモードはいつ使えば良いのか

ありきたりかもしれませんが、必要だと感じる場面で使うのが良いです。

例えばシフトダウンが必要な場面や、パワーが必要な場面などで思い通りに走れるように操作するということですね。

基本的にATは常に燃費とパワーと快適性のバランスをとっていますから必要ないと感じているなら操作しなくて良いです。

逆にどうしてもスムーズに走らなかったり、シフトアップが原因でパワーが足りなくなったりするのであればその場面で使うのが良いでしょう。

具体的には?

下り坂

これはエンジンブレーキを使うためなので説明不要でしょう。

MTモードによって細かくエンジンブレーキが制御できます。

下り坂でのエンジンブレーキはあくまでブレーキの温度を上げないための対策ですからそれを頭に入れて使うのが良いでしょう。

 

高速道路の合流や車線変更

合流時や車線変更の時には素早い加速が必要な場面があります。

そういった場面ではあらかじめシフトダウンしてエンジン回転を高くしておくことで加速体制を整えておくと良いでしょう。

そうすることでもし急加速が必要になった時にもクルマがしっかり加速してくれます。

 

強めの加減速が多いとき

交通量が多い場面では強めの加減速が必要な場面があります。

そういった時にATは変速タイミングを迷ってしまったり、不要な場面でシフトアップしてしまったりすることがあります。

そこでMTモードを使い適切な回転数を維持することでそういった無駄を減らすことも可能です。

また、アクセル操作に対して車が素直に反応してくれるので走りやすくなるでしょう。

 

 

これから先、ATはもっともっと進化していきます。

現代でさえサーキットなど一部環境では自動変速に頼ってしまった方が良い結果を出せる車があります。

もっと進化していけばMTモードが要らなくなる時代が来るかもしれませんね。

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