AT車の発進はアクセルペダルを踏むだけで可能ですが、注意すべきポイントもあります。
AT車の発進は簡単だけれども・・・
AT車はブレーキペダルを離してアクセルペダルを踏むだけで発進が可能なのも美点の一つですよね。
ですが、少し意識するだけでATを労わったり、乗り心地が良くなる方法もあるんです。
発進時に気を付けること
ブレーキペダルの離し方にも注意
発進時にブレーキペダルから足を離すとき、どんなふうに行っていますか?
ご存知の通りAT車にはクリープ現象があります。
ブレーキペダルから足を離すときに一気に離してしまうとクリープ現象によってクルマが一気に動き始めます。
クルマによっても変わりますが、トルクコンバーターを使っているAT車ではクリープでも割と力強く動き出していますからそこを意識してあげることで快適性は上がります。
DCTやAMTなど発進にクラッチ板を使っているクルマではクリープは弱いですが、癖がある場合が多いです。
クルマにもよりますが、ゆっくりブレーキペダルから足を離していくと唐突に動き出すようなクルマの場合には一気にペダルから足を離したほうがうまく行く場合があります。
アイドリングストップ付きの車両の場合、エンジンがかかった瞬間いきなり前に進む車が非常に多いです。
そういう傾向の強いクルマの場合には、発進するときにエンジンがかかるまで一瞬ブレーキペダルを戻したあと、すぐにブレーキを踏み足してエンジンがかかった衝撃でクルマが動かないようにすると良いです。
そして、エンジンがかかった後に発進させるとスムーズです。
ブレーキペダルから足を離した後、一瞬待ってからアクセルペダルを踏む
最近のAT車には停止中に自動的にトランスミッション内部がNレンジになる機能が搭載されています。(表示はDレンジのままです)
これによって燃費が良くなりますが、発進時にはブレーキペダルから足を離した際にDレンジに切り替わるまでほんの少しタイムラグがあります。
また、小さなショックがあったり上り坂で一瞬下がる症状があることも多いです。
そのタイムラグの間にアクセルペダルを踏んでしまうと、AT自体の負担になりますし、加速自体もペダル操作に対して素直に反応してくれないことからブレーキペダルを離した後に一瞬待つことが大切です。
大抵の場合ショックがありますからそれを目安にアクセルペダルを踏むタイミングを決めると良いでしょう。
踏み始めも丁寧に
トルクコンバーターを使っているAT車の場合、発進時はトルクコンバーターによって非常にパワフルです。
さらに、アクセル操作に対して一瞬遅れて加速するので乗り心地への影響は大きいです。
その為、発進時にはAT車のほうが繊細なアクセル操作が必要になります。
DCTやAMTを積んでいる場合にはトルクコンバーターのようなタイムラグがなく、アクセルに素直に反応するのでそこまで意識しなくてもスムーズな場合があります。
発進時にペダルを踏みかえるとき
ペダルを踏みかえる時にはかかとを床につけたまま、かかとを支点につま先だけをずらすように踏みかえをしましょう。
一旦床からかかとを離してペダルの踏みかえをする場合、ペダルの踏みかえに時間がかかるだけではなく踏み間違いの原因です。
ペダル操作は床の上でかかとの位置を固定した上で操作しましょう。
停止中ギアを切り替えていた時
長い信号待ちでPレンジなどに入れて待つときもあると思います。
そういった際にはギアを入れてから一瞬待ってアクセルペダルを踏むようにしてください。
ATはシフト操作をしてからギアが切り替わるまで時間がかかります。
切り替わっている最中にアクセルペダルを踏むとAT内部のクラッチに大きな負担がかかりますから、それを避けるためにシフト操作をしてワンテンポ待ってからアクセルペダルを踏むことが大切です。
オートホールドを使っている時
最近オートホールド機能が積まれた車が増えています。
この機能は停止中にブレーキペダルから足を離してもブレーキが効いたままになる機能です。
オートホールド機能が有効な場合には、アクセルペダルを踏むだけで発進ができます。
その際、一旦ブレーキペダルに触れてからアクセルペダルを踏むようにしましょう。
これは踏み間違い事故の予防策で、ブレーキペダルに触れることでペダルの位置を体に覚えさせる目的があります。
あまり強くブレーキペダルに触れてしまうとオートホールド機能が解除されてしまうので注意してください。
Nレンジに入れてあるとき
信号待ちなどでNレンジに入れてあるときには、Dレンジに入れる時に必ずブレーキペダルを踏むようにしてください。
これはオートホールド機能の場合と同様にブレーキペダルの位置を体に覚えさせる目的があります。
クルマの運転はスムーズさが肝
例えば、激しく走っているように見えるレースの世界でもスムーズさが肝だといわれています。
勿論、乗り心地を考えてのことではありませんが、クルマが安定して走るためにはスムーズさが大切なのでそういわれるんですね。
クルマが安定しているということは乗り心地も良くなりますから、安全でかつ快適という普通の運転でも大切なことが両立できるんです。
ハンドル操作にしろ、クルマの加速や減速にしろ角がなくスムーズな運転を目指すことがクルマの運転には大切です。
ただし、注意しなくてはいけないのはスムーズさを意識したうえで、大きく操作すべき時にはためらわないことも大切です。
例えば急ブレーキが必要なときにはしっかりとペダルを踏むことが必要ですし、合流などでもアクセルペダルを大きく踏むことが大切です。
スムーズかつ大胆な運転というのが目指すべきところなんですね。
それが一番難しいんですけどね・・・。