MT車で大切な発進時の半クラッチ操作。
最初のハードルでつまづかないように、初心者向けのコツをまとめてみました。
クラッチペダル操作の意味
クラッチペダルで操作できるのはクラッチ板です。
クラッチ板はエンジンとMTの間にあってエンジンとMT・タイヤとの繋がりを切ったり繋げたりします。
エンジン-クラッチ板-MT-タイヤ
こんな風にタイヤまで繋がっています。
クラッチペダルを踏んでいる間はエンジンが切り離されているのでギアを入れたまま止まってもエンストしないんですね。
つまり、エンジンを切り離すために存在するのがクラッチです。
発進時の半クラッチの意味
発進時にはエンジンの力を少しずつタイヤに伝える必要があります。
いきなり伝えてしまうとエンジンが止まってしまうか、タイヤが急激に回って急発進になってしまうからです。
クラッチペダルで操作しているのはクラッチ板を押し付ける量なので、クラッチペダルをゆっくり操作すればエンジンの力を少しずつタイヤに伝えることができます。
これが半クラッチ状態です。
クラッチペダルを踏むとクラッチ板が離れて、クラッチペダルから足を離すとクラッチ板が押し付けられますから、クラッチペダルからゆっくりと足を離すことで半クラッチ操作ができるんです。
初心者向けクラッチ操作のコツ
アクセルは一定
発進の半クラッチ操作をしている時にはアクセルペダルの踏む量を一定にするように意識しましょう。
クラッチ操作に集中できるので発進が楽になります。
慣れてくると細かくアクセルペダルを操作しても良いですが、慣れるまではクラッチに集中しましょう。
エンジン回転は厳密じゃなくても良い
発進時には大体1500回転~2000回転くらいを維持して半クラッチ操作をすると良いです。
勿論慣れればもっと低いエンジン回転数でも大丈夫ですが、慣れるまでは考えなくて良いでしょう。
大体1500回転~2000回転と言いましたが、厳密である必要はありません。
特に1000回転~2000回転くらいはエンジン回転が制御しにくいことも多く、ぴったり合わせようとすると大体失敗します。
ですから、2000回転を大幅に越えなければ問題ありません。
クラッチペダルには”遊び”がある
クラッチペダルには踏み始めと踏み終わりの部分に遊びが存在します。
クラッチ板はクラッチペダルの踏み始めの遊びが終わったところからゆっくりと離れていきます。
逆にクラッチ板がくっつくときにはペダルを床まで踏んだ状態から遊びが終わるまでは半クラッチ状態にはなりません。
どれくらい遊びがあるかは車種によります。
遊びの部分はクラッチの繋がり方には一切関わりませんので遊びを把握できないとクラッチ操作が上手くいきません。
遊びを過ぎたら発進開始
発進時にはクラッチペダルの遊びの部分を過ぎるまで何も起こりません。
クラッチペダルの遊びを把握していないとクラッチペダルを離しても何も起きないので焦ってしまい、焦ったところで一気にクラッチペダルを離してしまってエンストや急発進の原因になります。
ですから、クルマが動き始めなくても焦らずゆっくりペダルから足を離すことが大切です。
発進時のクラッチ操作はクルマの動き始めを丁寧に
発進でクルマが動き始める瞬間(=半クラッチが始まる時)には特に丁寧にクラッチ操作をするようにしましょう。
クルマが動き始める時に丁寧に操作して、エンストしない速度になったら急発進しない程度にスパッとクラッチペダルを戻すようにするとMT車のトラブルを避けることができます。
クルマの動き始めで丁寧にクラッチ操作しないとギアが入りにくくなったり、クラッチが突然繋がりやすくなってしまうので注意しましょう。
坂道発進でも使える
坂道発進では慣れるまではサイドブレーキを使うでしょう。
サイドブレーキを使った坂道発進の場合、サイドブレーキを効かせたままアクセルペダルを軽く踏んで一定に保ち、クラッチペダルをゆっくりと離してクルマが動きだしそうになるポイントを探します。
グググっとクルマが動きだす合図がありますから、一旦そこでクラッチペダルの動きを止めます。
クラッチペダルの動きをどこで止めるのがポイントで、止めるタイミングが遅すぎるとエンストしてしまいますし、早すぎるとサイドブレーキを解除した時にクルマが下がってしまいます。
そしてサイドブレーキを下ろしてクルマが動き始めたら少しずつエンジンの様子を見ながらクラッチペダルをさらに離していきます。
この後、もしエンジン回転数が下がりすぎてパワーが足りなくなったら少しだけクラッチペダルを踏み足してあげてからアクセルペダルも少しだけ踏み足してあげましょう。
この時、強く踏みすぎるとエンジン回転数が上がりすぎてクラッチ焼けの原因になるので注意です。
そして再びクラッチペダルを少し離してあげればスムーズな発進ができるようになります。
クラッチ焼けに注意
アクセルを強く踏んだ状態で半クラッチ操作を繰り返すとクラッチ板が焼けて壊れてしまうことがあります。
クラッチ板が焼けると匂いがしますから、変な匂いがし始めたらクラッチ板を冷やすためにクルマを止めるか半クラッチ操作を減らしましょう。
初心者向けクラッチ操作のコツまとめ
- 発進時はアクセルペダル一定
- エンジン回転数にこだわりすぎない
- 発進時のクラッチペダル操作は動き始めで丁寧に
- クラッチペダルの遊びを把握する
- クラッチ焼けに注意する