ブレーキペダルのフィーリングは踏む位置でも変わる

ブレーキペダルのフィーリングはクルマで大切な要素の一つです。

しかし、ペダルを踏む位置でフィーリングも変わってしまうんです。

ブレーキペダルの支柱に注目

ブレーキペダルには支柱がありますよね。

ペダルの真ん中にある車種が多いですが、一部車種ではAT車の場合に右寄りに支柱があったりします。

ペダルの支柱が付いている部分を踏んでいる場合には問題ないのですが、ペダルの支柱から離れた位置を踏んでしまうとフィーリングが悪くなります。

ブレーキペダルは支柱が付いている部分を踏むことで最もフィーリングが良くなるんです。

 

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なぜフィーリングが変わるのか? 

剛性が大切

クルマには剛性という考え方があります。

剛性とは変形のしにくさを示す指標で、一番わかりやすいのはボディ剛性なんていう言葉は聞いたことがあると思います。

変形しにくければパーツが設計通り動きやすくなったり、操作に対して忠実に反応するようになります。

ボディにしろ足回りにしろ剛性が出ているかどうかはフィーリングに関わってくる大切な部分です。

ペダルに関しても剛性というのは大切な部分です。

 

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ブレーキペダルは力がかかる

アクセルやクラッチの場合には操作するときの力も大きくはないですから影響はないでしょう。

ところが、ブレーキの場合にはとても大きな力がペダルにかかります。

かかる力が大きいときにはパーツの変形も大きくなりますからペダルの剛性の影響は大きくなります。

 

支柱から離れた位置を踏むと起きること

ペダルは支柱が付いている位置を踏むと支柱に対してまっすぐ力がかかります。

踏んだ方向に力がかかるのでそれ以外の余分な力がかからないんですね。

ところがペダルの支柱から離れた位置を踏むとペダル全体にねじるような力がかかります。

MT車のように小さいペダルだとあまり意識することはありませんが、AT車のように横長のペダルでは意外と大きな違いになります。

 

左足ブレーキを使うなら

AT車で左足ブレーキを使っている方もいるのではないでしょうか。

私もAT車では左足でブレーキペダルを踏んでいますが、左足ブレーキを使っているとペダルの左端を踏むのが一番楽だったりします。

ただ、今回説明したようにペダルの支柱から離れた位置を踏むとペダルにねじる力がかかってしまうのでブレーキのフィーリングは結構悪化します。

一部車種ではペダルの右端に支柱が付いているような車種もあり、そういったクルマでペダルの左端を踏んでしまうとフィーリングが極端に悪化してしまうので注意したほうが良いでしょう。

ペダルの剛性も大切

意外と見過ごされがちなのがペダル自体やペダルの支柱の剛性です。

ペダルやペダルの支柱のつくりを見てみるとわかりやすいのですが、フィーリングの良いブレーキというのはペダル自体のつくりがしっかりしているものが多いです。

実は同じ日本車であっても欧州市場向けのものと日本市場向けのものでは支柱の剛性などが違っている場合があるんです。

私が比べたのはお台場のMegaWebの展示車で、オーリスの日本仕様と同じくオーリスのイギリス仕様でしたがペダルのつくりも質感も全く違ったのを覚えています。

イギリス仕様は質感も高く、ペダル自体の剛性もしっかりとしていて日本仕様のマークXよりも上質だったんです。

さすがに同じく展示車だったセンチュリーほどではなかったですが、とてもしっかりしていたのが印象的でした。

最近の日本仕様車はかなり良くできていますが、まだ剛性面では物足りないので世界スタンダードに近づくと良いのですが。。。

 

ペダルの剛性は試乗しなくてもわかる

ブレーキペダルの剛性というのは試乗をしなくても展示車に乗るだけで確かめることができます。

というより、試乗車を運転するよりも展示車に乗った時のほうがわかりやすいかもしれません。

クルマが展示されている場合、エンジンは切れていますよね。

エンジンがかかっている時にブレーキは負圧で補助されて軽い力でブレーキがかかるようになっています。

ところが、エンジンがかかっていないときにブレーキペダルを何度も踏むと負圧が無くなってブレーキを補助する力もなくなります。

すると軽かったはずのブレーキペダルがめちゃくちゃ重たくなるんですね。

ブレーキペダルが重たくなれば強くブレーキを踏んだ時にペダルなどの剛性の影響がもっと明確に出てくるので剛性がわかりやすくなります。

この方法でブレーキペダルの剛性が高いと感じたクルマはブレーキを踏んだ時の感覚がカッチリしていることが多いと思います。

 

剛性が高いほうが良いとは言わないけれど・・・。

実際のところ、剛性を高くすれば重くなり部品の価格も上がってしまいます。

それはすなわち、パーツ交換の費用も高くなるということも意味しますから何でもかんでも高剛性・高性能を追求するのが良いわけではありません。

とはいえ、それでも大切にすべき部分というのは存在します。

特にブレーキの場合には扱いやすさに関わる部分でもありますからある程度しっかりしているのも必要ではないでしょうか?

特に最近のクルマは大きく重たくなる傾向にありますから、踏んだ時に思い通り止まるということは大切でしょう。

操作しにくいブレーキというのは突発的なブレーキ操作の障害になり、信号無視に繋がる危険性も高いです。

必要なところにはしっかりとお金をかけて、整備が必要になるところはメンテナンス性も考慮して低価格にするというのが自動車には大切なんですね。

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