少なくなりつつあるマニュアル車。
今回はそのメリットについてです。
マニュアル車のメリットは使えるテクニックの多さ
MT車というとギアを自由に選べるから良いというのはよく聞くと思います。
それだけだとATのマニュアルモードでも十分だと感じてしまう方も多いでしょう。
実はMT車の一番のメリットは使えるテクニックが多いことです。
MT車にはペダルが3つありますからドライバーができることが多いんですね。
例えばMT車では減速時にエンジンブレーキを使いたくなければクラッチペダルを踏み込むだけでエンジンブレーキを無くすことができます。
AT車でもNレンジに入れれば同じことができますが、その場合にはAT本体の寿命を縮めてしまう可能性がありますから実用的ではありません。
しかも、MT車の場合には半クラッチなんかも使えますから細かいコントロールがしやすかったりします。
これがMT車の最大のメリットで、普段の運転でもクルマをコントロールしやすくなります。
慣れれば渋滞なんかでもMT車のほうが速度の微調整がしやすく、普通の渋滞であればMTのほうが走りやすいです。
上り坂での渋滞はクラッチの温度が心配になるので辛いところですが。。。
AT車のMTモードとの違い
オートマはクルマ任せ
AT車は楽な反面、クルマ任せになってしまう場面が多いです。
アクセルペダルとブレーキペダルしかありませんから、クラッチペダルを踏んで惰性で走らせたり半クラッチでショックを減らしたりといったテクニックが使えません。
AT車ではどうしてもシフトショックが出る場面というのも存在していて、それを無くすためにはギアチェンジの瞬間にアクセルペダルをほんの少し戻したり踏んだりすることが必要になります。
しかしコンピュータが相手なので完全に無くすのは難しく、逆にシフトショックが増えてしまうこともありストレスが溜まります。
できが良いと言われるATでも場面によってはシフトショックが出ますから運転していて気持ち良くないんです。
MTであれば全部自分で行っていることなので、ギアチェンジの時にショックが出たら操作を見直すだけで対応ができます。
しかもAT車よりも簡単に対応できるんですね。
AT車はどうしてもクルマ任せになってしまうので普通に運転すれば楽なクルマなんですが、丁寧に運転しようとするとMT車よりも難しいんです。
MT車は操作することそのものが楽しい
AT車でもMTモードを使うと楽しく走れますよね。
ギアチェンジした時の音や加速時の感触などATのMTモードでも楽しい場面は存在します。
最近のATではシフトアップ時のエンジン音の変化やシフトダウン時のエンジン音などがとても良くできていますからギアチェンジをするととても楽しいですよね。
ただ、逆に言えばAT車で楽しむためにはスリルが必要なので強い加速をしたり頻繁にギアチェンジをしないといけないんです。
それに比べるとMT車は普通に運転していても楽しいのがメリットです。
街中を周りのクルマに合わせて走るだけでも楽しいですし、法定速度・制限速度を守って走っても楽しく走れます。
勿論ヒール&トゥなどを使ってシフトダウンすればもっと楽しいですし、しなくても十分楽しいです。
私自身は渋滞ですらMT車なら割と楽しめるタイプです。
そんな風に操作しているだけでも楽しいのがMT車なんですね。
AT車はMTモードでもギアチェンジできないことがある
AT車のMTモードではコンピュータがギアチェンジ可能かどうかを判断しています。
ところがAT車のMTモードでは1速から2速へのギアチェンジが2000回転を超えないとできないクルマも多くあるんです。
渋滞なんかだと1速ギアのエンジンブレーキが邪魔なことが多々あり、そんな時にはMT車であれば早めに2速ギアに入れることで対処ができるんですが、AT車のMTモードではそれを受け付けてくれないことがあるんですね。
ドイツ車なんかは割と受け付けてくれますが、日本のCVT車などでは受け付けてくれないクルマが多いような気がします。
2速ギアへの早めにシフトアップを受け付けてくれないクルマでは低速域で無駄なエンジンブレーキがかかるので街中ではDレンジが一番楽だったりします。
結局ストレスが溜まるけれどもDレンジがベストになるんですね。
MTモードは低速になると勝手にシフトダウンする
AT車では速度が落ちていくにしたがって自動的にシフトダウンしていきます。
シフトダウンを忘れても最低限の加速力は確保されるので便利な機能ですが、勝手にギアチェンジが行われるので今どのギアに入っているのかわからなくなりやすい機能でもあります。
また、クルマによっては自動シフトダウンと手動シフトダウンが重なると2段まとめてシフトダウンしてしまうこともあったりします。
3速から2速に落とそうとしているときに2段落ちると1速ギアに入るのでエンジンブレーキが強くなって怖いんですよね。
それを防ぐには常に早め早めのシフトダウンが必要になるのでシフトショックが発生しますしちょっと面倒なんです。
ギアがわからなくなる
MT車であればシフトノブの位置で今のギアがわかります。
それに対してATのMTモードではメーターを見ないとギアがわかりません。
ギアチェンジする時に必ずメーターの数字を確認しないといけないので少し面倒なんですね。
街中では確認しなくてはいけないことが多いですから結局Dレンジがベストになります。
ATのMTモードも楽しいけれど
勿論ATのMTモードの楽しさというのも知っています。
私自身はMT車しか買ったことがありませんが、両親のクルマがMTモード付のAT車でした。
それも割と最新のもので6速ATにパドルシフトも付いていてシフトダウン時にはブリッピングもしてくれるクルマです。
シフトアップも本当に一瞬で完璧にこなしてくれるATです。
AT車はアクセルとブレーキに集中できますし、MT車のようにギアチェンジで悩むこともクラッチで悩むこともありません。
アクセル全開加速をしてもそれなりにスムーズにギアチェンジしてくれますし、アクセル全開加速のスムーズさはMT車ではAT車には勝てないでしょう。
しかも両親が乗っていたAT車は私が乗っているMT車よりも馬力が3倍以上ありますし、ギアだって一つ多いです。
ですが、正直言ってMT車よりAT車のMTモードのほうが楽しいと感じたことはありません。
MT車は遅くても楽しいですし、馬力だって要らないんです。
飛ばすと楽しいAT車に対して、運転するだけでもすごく楽しいのがMT車。
それがMT車の一番のメリットでしょう。