マニュアル車の運転においての難関の一つ坂道発進。
坂道発進が失敗してしまう原因とはなんでしょうか?
坂道発進が失敗してしまうのはなぜ?
坂道発進が失敗してしまうのは発進する瞬間にタイヤにパワーが十分伝わっていないことが原因です。
タイヤに伝わるパワーが足りないので下がってしまったり、そもそもエンジンのパワーが足りないのでエンストしたり下がってしまうんですね。
それを防ぐには発進する瞬間には坂道を下がらないくらい十分なパワーがタイヤに伝わっていることが大切です。
発進する瞬間というのはサイドブレーキを使っていればサイドブレーキを解除する瞬間ですし、フットブレーキで止まった状態であればブレーキペダルを離す瞬間です。
その瞬間に十分なパワーがタイヤに伝わっていないと下がってしまいますし、エンジンパワーが足りなければエンストしてしまいます。
坂道発進で失敗してしまう原因
- サイドブレーキを解除するのが早すぎる
- アクセルペダル操作が安定していない
- クラッチペダルを動かしすぎている
- エンジンパワーが足りていない
サイドブレーキを解除するのが早すぎる
サイドブレーキを解除するタイミングが早すぎると十分なパワーがタイヤに伝わる前にブレーキが解除されてしまうので下がってしまいます。
下がり始めても落ち着いてクラッチペダルを操作すれば問題ないのですが、慌ててクラッチを切ってしまってそのまま下がってしまったり、逆にクラッチを繋ぎすぎてエンストしてしまったりします。
これを防ぐためにはタイヤに十分なパワーが伝わったことを確認してからブレーキを解除することが大切です。
十分なパワーが伝わっているかどうかはクルマの後ろが沈み込んでいるかどうかで確認できます。
サイドブレーキをかけた状態でタイヤにパワーが伝わると後ろが沈み込んでクルマの前が持ち上がったような感覚がありますから、その状態にしてサイドブレーキを解除すると下がらずに坂道発進をすることができます。
アクセルペダル操作が安定していない
坂道発進でアクセルペダル操作が安定していないとエンストの原因になります。
アクセルペダルを動かしすぎるとクラッチとのバランスが取りにくくなってしまうからです。
慣れるまではアクセルペダルを一定に踏んだ状態でクラッチペダルを使ってコントロールするようにしましょう。
クラッチペダルを動かしすぎている
慣れないとクラッチペダルを大きく動かしすぎてしまうことがあります。
坂道発進ではエンジンパワーが負けやすい状況なのでクラッチペダルを大きく動かすとエンストの確率も高くなります。
クラッチペダルを動かすときにはできるだけ丁寧に動かすようにしましょう。
丁寧に動かしたときに下がってしまう場合にはサイドブレーキを引いた状態でもっとしっかりクラッチを繋いでタイヤにもっとパワーを伝えるようにすると良いでしょう。
エンジンパワーが足りていない
坂道の傾斜によってはクラッチを繋いだ時にパワーが足りないことがあります。
発進する段階でクルマの後ろが沈み込んでからサイドブレーキを解除すればパワーが足りないことはまずありませんが、もしも足りなければほんの少しだけアクセルペダルを踏み込んで同時にクラッチペダルを少しだけ戻すようにします。
このとき、クラッチペダルを戻すタイミングが早すぎるとエンストしてしまうのでアクセルペダル操作をワンテンポ早めに行うと良いでしょう。
失敗しないために大切なこと
- 先に発進できる状態を作る
- 低いエンジン回転数を維持するためにがんばらない
- アクセルペダルは一定に
- クラッチのミートポイントを覚える
先に発進できる状態を作る
サイドブレーキを使った坂道発進ではサイドブレーキを解除する前に発進できる状態を作ることがとても大切です。
先に発進できる状態を作っておけばサイドブレーキを解除しても下がることはないからです。
焦ってしまうとどうしてもサイドブレーキを慌てて解除してしまうかもしれませんが、発進できる状態になってからサイドブレーキを解除するという手順を忘れないようにしましょう。
低いエンジン回転数で発進するためにがんばらない
MT車の運転では低いエンジン回転数で発進しようとがんばりすぎてしまうことが多々あります。
クラッチ板の摩耗を減らすためには低いエンジン回転数で発進することも大切ですが、坂道発進では十分なパワーを出せるかというのも大切な部分です。
あまりにも低すぎるエンジン回転数では発進自体が難しくなってしまうので注意が必要です。
また、先にアクセルペダルを踏んでエンジン回転数を高くしてからクラッチを繋ぎ始めるような発進の仕方をした場合には、エンジン回転数が上がりやすいので簡単に高いエンジン回転数になってしまいます。
しかし、この場合半クラッチを始めるとすぐにエンジン回転数は下がり始めるのでそこまで神経質にならなくても大丈夫です。
半クラッチを始める前であれば2500回転程度までは許容範囲ですし、半クラッチを始めた後も2000回転以下であれば問題はないでしょう。
もしも先にクラッチペダルを動かしてからアクセルペダルを踏むような発進の仕方をした場合には2000回転以下で発進できれば大丈夫です。
アクセルペダルは一定に
慣れないうちはアクセルペダルを一定に保つようにしたほうが坂道発進はやりやすいでしょう。
アクセルペダルを出来るだけ一定に保つようにしながらクラッチペダルで発進をコントロールします。
アクセルペダルの踏み込み量が十分であればそれだけで十分発進できるはずです。
クラッチのミートポイントを覚える
半クラッチが始まるポイントをクラッチのミートポイントと呼びます。
これはMT車の運転でとても大切なものですから覚えておいて損はないです。
クラッチのミートポイントを覚えるためには平らな場所(ブレーキを解除してもクルマが動かない場所)でサイドブレーキを解除してからギアを入れてクラッチペダルを徐々に戻してきます。
クルマが動き始めたらそこがミートポイントです。
完全に覚える必要はないのでミートポイントまで何度か動かしてなんとなく覚えるようにすれば大丈夫です。
焦らず丁寧な操作をすることが大切
坂道発進ではどうしても焦ってしまいがちです。
下がってしまう恐怖から余計に焦ってしまうのですが、サイドブレーキを確実に使えば下がることはありません。
落ち着いて確実に操作をすると良いでしょう。
また、前のクルマが発進するタイミングを予想して、前のクルマが発進するちょっと前に発進準備をするともっと余裕が出るのではないでしょうか?
あまり前から半クラッチ状態を作ってしまうとクラッチ焼けが心配になりますが、1秒や2秒程度であれば短時間に何度も繰り返さなければ問題になりません。
事前に準備をすると余裕をもった発進もしやすくなるのでオススメです。
勿論、慣れてきたら準備時間を短くしていくとクラッチの減りが少なくなるので良いでしょう。