マニュアル車で2速発進をして良い場面というのはあるのでしょうか?
2速発進はクルマと状況次第
2速発進を使って良いかどうかはクルマの設計とその時走っている状況次第になります。
2速発進は1速ギアから発進するときと比べてクラッチ板やエンジンなどに負担がかかります。
クラッチ板の摩耗もう進みやすくなってしまうので、2速発進を使う時には注意が必要です。
基本的に2速発進をしても負担が少ないクルマ・状況であれば2速発進をしても問題はないでしょう。
2速発進を使って良い場面
- 2速発進を使っても良いクルマに乗っている時
- 下り坂など負担が少ない状況の時
- 完全に停止していないとき
- 滑りやすい路面からの発進
2速発進を使っても良いクルマに乗っている時
荷物を積む前提で設計されているクルマ(トラックなど)の場合、荷物を積んでいない時には2速発進をしても良い場合があります。
荷物を積む前提で設計されているクルマでは荷物を積んだ時にスムーズに発進できるように1速ギアが設計されているので、荷物を積んでいない時に1速ギアから発進しようとするとギアチェンジが忙しくなってしまうんです。
そういったクルマの場合、荷物を積んでいない時にはクラッチ板への負担も少ないので2速ギアを使って発進したほうが走りやすくなるんですね。
ただし、そういったクルマでも上り坂などでの発進時には1速ギアを使ったほうが良い場合があります。
下り坂などの負担が少ない状況の時
下り坂ではブレーキペダルから足を離しただけで前に進むので2速発進をしてもクラッチ板への負担が少なくなります。
重力によって発進が補助されるんですね。
ブレーキペダルを離しただけでクルマが進むくらいの下り坂では2速発進を選んでも大丈夫でしょう。
完全に停止していないとき
完全に停止していない状態(停止寸前の状態)であれば2速ギアのままで発進をしても問題がありません。
クルマが動いているのでクラッチ板やエンジンへの負担が少ないからですね。
とはいえ、1速ギアから発進したほうがクラッチ板への負担は少なくなります。
また、加速が必要なときには2速ギアだと遅れてしまうことがあるので1速ギアから発進するようにしましょう。
完全に停止していない状態で1速ギアに入れると1速ギアのシンクロには多少負担がかかるのでどっちを選ぶかはあなた次第です。
滑りやすい路面からの発進
滑りやすい路面では1速ギアからの発進だとパワーが出すぎてしまうことがあります。
タイヤがスリップしてしまうと発進しにくくなってしまうので、そんな時には2速ギアを使って発進するとクルマをコントロールしやすくなるんです。
ただし、半クラッチが長くなりクラッチ板への負担が大きくなりますからよほどの理由がない限りは1速発進のほうがよいでしょう。
MT車はクラッチ操作でコントロールしやすいので1速ギアからの発進でもそれほど困らないはずです。
2速発進のメリット
- ギアチェンジの回数が減る
- 2速ギアのシンクロが減りにくい
- ギアが入りにくいクルマで運転しやすくなる
ギアチェンジの回数が減る
1速から2速ギアへのギアチェンジが無くなるのでスムーズな運転をしやすくなります。
1速から2速へのギアチェンジは他のギアチェンジに比べると難しい場面なので慣れていないドライバーにとっては運転しやすく感じると思います。
2速ギアのシンクロが減りにくい
2速ギアへのギアチェンジが無くなるので2速ギアのシンクロが減りにくくなります。
2速ギアのシンクロは強く作られていることが多いですが、使えば使うほど摩耗してしまうことは変わりません。
2速ギアへのギアチェンジが無くなるとその分、2速ギアのシンクロが減りにくくなるのがメリットです。
ギアが入りにくいクルマで運転しやすくなる
シンクロが摩耗していたり、シンクロに癖がついているクルマでは2速ギアや1速ギアに入りにくくなってしまっている場合があります。
そういったクルマでは2速ギアから発進することで症状を回避できます。
ただし、ギアが入りにくい場合にはシフト操作の癖を見直すことでギアが入りやすくなることもあります。
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2速発進はデメリットに注意
2速発進は運転しやすくなることもありますが、それ相応のデメリットがあります。
元々2速発進を前提に設計されていないクルマではクラッチが減りやすくなってしまいますし、エンジンにも負担がかかります。
発進回数が少なければすぐに問題にはなりませんが、都市部など発進回数が多いときにはクラッチも焼けやすくなるので問題になります。
クラッチの摩耗というのは見えにくいものなのでできるだけクラッチに負担をかけない運転ということはとても大切です。
2速発進をする時には下り坂など2速発進をしても負担が少ない場面だけにしておいたほうが良いでしょう。