エンジンブレーキを積極的に使うことのメリットとは?

エンジンブレーキを積極的に使うことにメリットはあるのでしょうか?

 

エンジンブレーキの積極的な使い方

エンジンブレーキはエンジンの抵抗によって車が減速する現象です。

基本的にガソリン車であればアクセルペダルから足を離すと自然とかかります。

ただ、通常は燃費や運転のしやすさ、乗り心地をよくするためにあまり強いエンジンブレーキがかからないようになっています。

そこで強めのエンジンブレーキを積極的に使うためにはシフトダウンをしてエンジンブレーキを強くする必要があります。

AT車ではSやBといったモードであったり、”OD OFF”や2・1といったギアポジションを使ったり、MTモードがある車種ではMTモードを選択してギアを下げることでエンジンブレーキを積極的に使うことができます。

MT車ではシフトダウンをしてクラッチを繋ぐことで強いエンジンブレーキを使うことができるでしょう。

ただし、ハイブリッド車や電気自動車の場合にはその構造上エンジンブレーキではなく回生ブレーキというものがかかります

回生ブレーキはガソリン車のエンジンブレーキと同じようにアクセルペダルを離すと作動します。

電気自動車やハイブリッド車は回生ブレーキを強くするモードや、エンジンブレーキを強くして減速しやすくするモードなどがありますからそれを使うと回生ブレーキやエンジンブレーキを積極的に使うことができます。

では続いてメリットとデメリットについて解説していきます。

 

スポンサーリンク

エンジンブレーキのメリット・デメリット

メリット

  • ブレーキペダルを踏まなくても減速する。
  • ブレーキが減りにくくなる。
  • ブレーキが熱くならない。

 

ブレーキペダルを踏まなくても減速する

エンジンブレーキを積極的に使う運転をするとブレーキペダルを踏む回数を減らすことができます。

フットブレーキの代わりにエンジンブレーキを使うんですね。

そうするとペダル踏み替えにかかる手間がなくなり、ブレーキを踏んでカックンとなったりするリスクも少なくなります。

 

ブレーキが減りにくくなる

エンジンブレーキを使うとブレーキペダルを踏む回数が減るのでブレーキが減りにくくなります。

国産車であってもパッド交換はお金がかかりますし、外車などはディスクも同時に交換しなければいけない場合もあるので意外とお金がかかる場合があります。

最近のクルマは安全対策で重たくなっていてブレーキも減りやすいですからエンジンブレーキを使うメリットというのは大きいでしょう。

 

ブレーキが熱くならない

最近のクルマはブレーキがしっかりしているのであまり実感することはないかもしれませんが、ブレーキというのは使えば使うほど熱くなって効きが悪くなります。

長い下り坂や高速道路から一般道に降りる時など長くブレーキをかけなければいけない時にはエンジンブレーキを積極的に使うことでブレーキに優しい運転ができます。

特に長い下り坂ではブレーキを使いすぎるとブレーキが熱くなりすぎて効かなくなってしまうこともあり危険です。

そういったことがあるので長い下り坂では積極的にシフトダウンをしてブレーキペダルを踏む回数や強さを減らしてあげることが大切です。

最近のクルマではきつめの下り坂などエンジンブレーキが必要な場面で自動的にシフトダウンしてクルマも多くあります。

そういったクルマではあえてシフトダウンしなくても下り坂で軽くブレーキペダルを踏むだけでシフトダウンを自動的にしてくれるので見分けが付くでしょう。

また、高速道路を降りる際には急激に速度を落とすことになり車種によってはブレーキが歪みやすくなってしまうことがあります。

ブレーキが歪んでしまうとブレーキペダルを踏んでいる時にガタガタするようになってしまいます。

特に重たいクルマではエンジンブレーキを積極的に使うことでブレーキが歪みにくくなるのでエンジンブレーキを使うメリットは大きいです。

 

スポンサーリンク

デメリット

  • ブレーキランプが点かない。
  • クルマの負担が増える。
  • 運転がガクガクしやすくなる。
  • 燃費が少し犠牲になる。

 

ブレーキランプが点かない

エンジンブレーキを使う時にはブレーキペダルを踏まないのでブレーキランプが点灯しません。

ブレーキランプが点かないと後ろのクルマが減速に気づかずにそのまま追突されてしまう危険性があります。

シフトダウンをしない軽いエンジンブレーキであればそこまで問題にはなりませんが、シフトダウンをしてエンジンブレーキを使う際には注意しましょう。

 

クルマの負担が増える。

エンジンブレーキを積極的に使うとクルマが消耗しやすくなります。

シフトダウンをするのでエンジン回転数が高くなりますし、シフトダウンの操作そのものがAT本体やMT本体によくありません。

すぐに壊れるというわけではありませんし、自動車メーカーもある程度の試験はしていますからそこまで神経質になる必要はないのですが、使いすぎるのは避けた方が良いでしょう。

また、MT車ではシフトダウンしたあとそのままクラッチを繋ぐとクラッチが減りやすくなります。

場合によってはクラッチ板が熱くなりすぎて故障の原因になることも。

シフトダウンの際にアクセルペダルを軽く踏んでエンジン回転数を合わせる動作(ブリッピング)を行うことでクラッチに優しい運転になります。

また、同時にダブルクラッチを使うことでMT本体にも優しくシフトダウンが出来ます。

とはいえ、エンジンに負担がかかることは変わらないのであまり過激に使うのは避けた方が良いでしょう。

 

運転がガクガクしやすくなる

エンジンブレーキを積極的に使うにはシフトダウンが必要になります。

シフトダウンをするとよほど出来の良いATじゃないと必ずカクンというショックが発生します。

MTであれば運転の仕方でどうにでもなる部分ですが、ATの場合には元の設計が悪いと完全に消すことが出来ません。

そうしたショックは乗ってる人にとっては不快なものですから注意が必要でしょう。

また、強いエンジンブレーキをかけている時にアクセルペダルを踏み込むとガクッと大きなショックが発生することもあります。

車種によってはかなり丁寧にアクセル操作をしてもショックを消せないことがあるのでその際にはシフトダウンをしすぎないことも大切です。

 

燃費が少し犠牲になる

AT車で積極的にシフトダウンをするとほんの少しだけ燃費が悪くなることがあります。

シフトダウンの際にショックを無くすために自動的にアクセル操作をしている車種では燃費に悪影響があります。

MT車でもエンジン回転数を合わせるためにアクセル操作をしてシフトダウンをすると燃費に悪影響が出ます。

とはいえ、そこまで大きな違いにはなりませんからあまり気にする必要がないデメリットでしょう。

 

アクセルペダルを早めに離すのも大切

エンジンブレーキを積極的に使う運転ではシフトダウンも一つの手ですが、おすすめなのはアクセルペダルから足を離すタイミングを変えることです。

少し早めにアクセルペダルから足を離せばその分だけエンジンブレーキを使う時間が長くなります。

燃費も良くなりますし、ブレーキの消耗も抑えられます。

AT車では低いエンジン回転数で自動的にシフトダウンされていくので早めにアクセルから足を離すと意外としっかりエンジンブレーキが効きます。

同乗者にとっても手前から減速することで安心感のある運転になるのでおすすめです。

ただし、後続車がいる場合にはあまり手前でアクセルペダルから足を離すと迷惑になるので様子を見ながら行いましょう。

スポンサーリンク