今回は2018年12月13日に改良されたスズキアルトの特徴や改良されたポイントを解説していきます。
スズキアルトってどんなクルマ?
コンセプト
アルトの歴史は古く初代は1979年に登場しました。
使い勝手のよさ、経済性の高さ、お求めやすい価格設定の実用的な軽自動車として開発された初代アルト。
初代アルトは他の軽自動車が60万円代だったのに対して、初代アルトは47万円という驚異的な低価格で販売されました。
今回解説するのは8代目アルトの改良型です。
8代目アルトでは他メーカーと比べて低価格というわけではないものの、扱いやすさや燃費、安全性能などクルマとして必要な性能を確保したクルマになっています。
特徴
2019年1月現在、販売されているアルトは8代目です。
8代目アルトは2014年に登場し、2018年12月に改良されました。
8代目アルトは安全装備を充実させながらも、先代アルトから約60㎏軽量化を行うなど高価な機構を使わない燃費対策がされています。
それと同時に、価格が高い上級グレードではエネチャージなどの多少コストのかかる燃費対策を行うことで37.0km/L (JC08)という燃費性能を獲得していることも特徴でしょう。
さらに、価格を抑えるためにCVTではなく5速マニュアルトランスミッションベースのオートマチック “5AGS”を使っているグレードが存在することも特徴です。
アルトには商用グレードと乗用グレードが存在します。
グレード構成
商用グレード
VP [5MT] ( FF )
VP [5AGS] ( FF / 4WD )
乗用グレード
F [5MT] [5AGS] ( FF / 4WD )
L , S , X [CVT] ( FF / 4WD )
価格
VP [5MT] ( FF )
723,600円
VP [5AGS] ( FF / 4WD )
804,600円 / 912,600円
VP [5AGS] レーダーブレーキサポート付 ( FF / 4WD )
826,200円 / 934,200円
F [5MT] ( FF / 4WD )
847,800円 / 953,640円
F [5AGS] ( FF / 4WD )
847,800円 / 953,640円
F [5AGS] レーダーブレーキサポート付 ( FF / 4WD )
907,200円 / 1,013,040円
L [CVT] ( FF / 4WD )
894,240円 / 1,000,080円
L [CVT] レーダーブレーキサポート付 ( FF / 4WD )
953,640円 / 1,059,480円
S [CVT] ( FF / 4WD )
1,061,640円 / 1,162,080円
X [CVT] ( FF / 4WD )
1,171,800円 / 1,266,840円
パワートレーン
VP [5MT] [5AGS] , F [5MT]
660CC 直列3気筒エンジン
49PS / 6500rpm
5.9kg-m / 4000 rpm
可変バルブタイミング機構などが付いていない簡素なエンジンとなっています。
パワーや燃費性能などが他のグレードよりも劣ります。
F [5AGS] , L , S , X
660CC 直列3気筒 吸排気VVT付きエンジン
52PS / 6500rpm
6.4kg-m / 4000rpm
吸気バルブ、排気バルブ共にVVT (可変バルブタイミング機構)が付いたエンジンとなります。
燃費 (JC08)
VP [5MT] ( FF )
25.8
VP [5AGS] ( FF / 4WD )
26.2 / 24.0
F [5MT] ( FF / 4WD )
27.2 / 25.2
F [5AGS] ( FF / 4WD )
29.6 /27.4
L , S , X ( FF / 4WD )
37.0 / 33.2
※単位はkm/L
安全装備
フロントエアバッグは商用グレード含めて全車標準装備となっているものの、サイド・カーテンエアバッグはオプションでも装備不可となっているなど安全面では見劣りします。
基本設計が2014年のものとなるため最近の軽自動車としてはやや貧弱な装備となってしまうのは仕方がないかもしれません。
しかし、2018年12月の改良によって自動ブレーキなど先進安全装備が強化されました。
改良以前は約5km ~ 約30km/hの範囲でしか作動しなかったのですが、改良によって約5km ~ 約100km/hの範囲で作動するようになりました。(対車両)
また、後退誤発進抑制機能なども追加されたため予防安全機能に関してはかなりしっかりしたものとなっています。
ただし、商用グレードの先進安全装備は古いままとなります。
自動ブレーキ機能は X , S に標準装備、Lにはオプション設定となり、FとVPでは5AGS にオプション設定となります。
スイフトなどとは違いMT車には自動ブレーキ機能は装備できないことも注意が必要でしょう。
X , S 以外のグレードには後部座席にヘッドレストが付いていない為、後部座席に人を乗せる機会が頻繁にある人は X , Sグレードを選んだほうが良いでしょう。
VVTって何?
VVTは ” Variable Valve Timing”の略となります。
日本語に訳すと可変バルブタイミングです。
エンジン負荷や回転数などに応じてバルブが開くタイミングを調整することで、燃費やパワーを向上してくれる機構です。
5AGSって何?
セミATなどとも呼ばれる形式で、 5MTのクラッチ操作とシフト操作を自動化したトランスミッションです。
普通のMT車と同じようにクラッチを使って発進をしてシフトチェンジの時にもクラッチを使います。
その為、シフトチェンジの度に加速が一瞬途切れてしまうことが通常のAT車とは違います。
クラッチを使っているので通常のMT車と同じようにクラッチが焼ける可能性があります。
例えば、坂道でアクセルを踏んで停止した状態を維持したり、渋滞時など坂道をゆっくりと登って行ったりするようなときです。
クラッチ焼けによるトラブルを防止するためにクラッチの温度が上がると警告表示がでるような仕組みになっていますが、そういった操作はクラッチの摩耗を進めるため避けたほうが良いでしょう。
5AGS車にはこういった通常のAT車にはない特性が存在するため、従来のAT車に慣れた方にとっては違和感を感じる可能性が高いです。
しかし、同じ価格帯のAT車では得られないキレのある加速やMTモードが楽しいなどメリットもあるため、運転が好きな人にとってはとても良い選択になるでしょう。
検討している場合はぜひ一度試乗してどういう走りをするのかチェックすることをオススメします。
グレードごとの特徴
VP
商用バンとなります。
4ナンバーとなり初回車検が2年と通常の軽自動車よりも1年短くなっています。
乗用グレードよりトランクが広い変わりにリアシートが狭くなり居住性が悪くなっています。
カラーリングは白のみとなり、バンパーは未塗装(素材は白色)となります。
先進安全装備はレーダーブレーキサポートとなり、 シートベルトプリテンショナーが省かれているなど 乗用グレードより安全性能は落ちます。
その分価格は安く約72万円ほどから購入可能となっています。
ABSとESPは標準装備となります。
バングレードを含めてセキュリティシステムが装備されています。(イモビライザーは無し)
F
乗用アルトのエントリーグレード。
価格が何より重要な方や運転が好きな方にオススメのグレードになります。
安全装備では上級グレードと遜色なく、自動ブレーキを含むスズキの先進安全装備 “スズキセーフティサポート”もオプション装備が可能です。
ただし、トランスミッションが5MTもしくは5AGSとなっているため、MT車になれていない方にはあまりオススメできないグレードです。
逆に、MT車が好きだけれど街中ではクラッチ操作が億劫という方には特にオススメできます。
もちろんMT車が好きな方であればこのグレードは最高でしょう。
L
アルトのベーシックグレード。
エネチャージが付いたことで燃費もよく、CVTとなるため万人向けのグレードになっています。
後部座席にヘッドレストがない為、日常のお買い物などをメインに普段は後部座席を使わない方にオススメです。
S
便利さや快適性を向上させた上級グレード。
電動格納式ドアミラーが標準装備となり、運転席シートの高さ調整機構も標準装備されます。
また、このグレードから後部座席にヘッドレストが装備されます。
体格が小柄な方や、後部座席に人を乗せる機会が多い方はこのグレードがオススメです。
HIDヘッドライトがオプション設定されます。
X
アルトの最上級グレードです。
ドアミラーにウインカーが内蔵されるほか、ハンドルに高さ調整機構が付きます。
キーレスプッシュスタートシステムが付くため、鍵を持っていればドアのボタンでロックとアンロックが可能です。
エンジンをかける際も鍵を出さなくても可能となります。
また、盗難防止システムのイモビライザーが付いているため盗難されにくくなっています。
HIDヘッドライトがオプション設定されています。
スズキアルトっていい車?
安全性ではやや時代遅れ感がありますが、総合的に見ればよいクルマでしょう。
特に、現代の車がどんどん重たくなる中、軽量化を行い基本性能を上げることで燃費を底上げしたことは特筆すべきことです。
さらに、上級グレードではエネチャージをつけることで充電を効率的に行い、アイドリングストップ時間を伸ばすなど価格を維持しながらも軽自動車に適した燃費対策をしたことも素晴らしいです。
ただ、軽量なクルマで注意しなければならないのは重量の重いクルマと衝突した際に軽量なクルマ側の被害が大きくなることです。
環境問題のことを考えれば環境負荷が大きい車重の重たいクルマよりも、車重が軽い車が増えることこそ重要だと感じます。
ただし、サイドエアバッグすらつけられないことはスズキアルトの一番大きな欠点だと思います。
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