マニュアル車の醍醐味、ギアチェンジ。
今回はギアチェンジをスムーズに行うためのコツについて解説していきます。
ギアチェンジの目的ってなに?

スムーズなギアチェンジをするためには無駄なギアチェンジを減らすことも大切です。
なので、まずはギアチェンジの目的を理解しましょう。
ギアチェンジの目的はエンジン回転数を適切な範囲に保つことです。
エンジンにはその状況で適切な回転数の範囲があります。
例えば、レースのように最大限のパワーが欲しい時には馬力が最大になる範囲を保つことになります。
この場合、たいていのエンジンではエンジンが回る限界近くまで回すことになります。
では街中ではどうでしょう?
まず、街中では加速力と燃費のバランスを取ることが大切です。
エンジン回転数を高く保つとパワーが出る半面、燃費が悪化します。
逆にエンジン回転数を低く保つことで燃費は良くなるものの、低いエンジン回転数ではパワーが出なくなり場合によってはエンジンが酷い振動を起こすこともあります。
その時に必要なパワーを予測してエンジン回転数を適切な範囲に保つことがギアチェンジの目的です。
シフトアップは燃費のため、シフトダウンは加速のためと覚えておくと良いでしょう。
ただし、長い下り坂ではエンジンブレーキを強くしてブレーキの負担を減らすためにエンジン回転数を高く保つ必要がありますし、エンジン回転数がレッドゾーン(エンジン回転計の赤い部分)に入ってしまう時にはエンジンを壊さないためにシフトアップが必要です。
ギアチェンジはなぜ難しいのか?
ギアチェンジの難しさはクラッチ操作、アクセル操作、シフト操作を同時に行うところです。
3つの操作のうち一つでも失敗するとクルマがガクガクしてしまいます。
これを防ぐためにシフトアップではクラッチペダルを踏みながらアクセルを戻し、クラッチが切れた瞬間からシフト操作を行い、シフト操作が終わったと同時にクラッチペダルを戻しつつアクセルをゆっくり踏んでいくといった操作が必要です。
この時、大切なのはエンジン回転数を意識することです。
ギアチェンジの後にガクガクしてしまうのはエンジン回転数があっていないから

ギアチェンジで変化するのはエンジン回転数です。
シフトアップならばエンジン回転数は下がり、シフトダウンならエンジン回転数が上がります。
ギアチェンジをした後にエンジンの回転数が次のギアにあっていないとクラッチを繋いだ時にガクガクしてしまいます。
ギアチェンジの時にはエンジン回転数がどのように動くか観察してみましょう。
クラッチを繋いでガクガクした瞬間にはエンジン回転数が急激に変化していませんか?
エンジン回転数が高すぎてガクガクするとき
エンジン回転数が次のギアの回転数になる前にクラッチを急激につないでしまうとガクガクすることがあります。
そんな時には一瞬待ってあげるか、もしくは一瞬半クラッチにしてエンジン回転数を合わせてからクラッチを完全につなぐような操作が必要になります。
いずれにしても最終的には回転数があった瞬間クラッチを完全に繋ぐような操作になります。
これはシフトアップだけではなくシフトダウンでも一緒で、エンジン回転数を合わせる時にアクセルを踏みすぎてエンジン回転数が高くなりすぎたときには一瞬半クラッチの時間を作って回転を合わせてあげることが必要になります。
エンジン回転数が低すぎてガクガクするとき
シフトダウンの時が一番イメージしやすいと思います。
シフトダウンの時にはアクセルを踏んで回転数を合わせないと強いエンジンブレーキがかかってガクガクすると思います。
ですから、シフトダウンの時にはアクセルを軽く踏んで次のギアに合わせたエンジン回転数にすることが必要です。
シフトダウンの時特有に感じるこの現象、実はシフトアップの時にも起きるんです。
これはギアチェンジが完了するよりも早くエンジン回転数が落ちてしまうことが原因です。
これを無くすためには3つの方法があります。
- シフトアップをもっと早く終わらせる
- クラッチを繋ぐ前に軽くアクセルを踏んでエンジン回転数を合わせる
- アクセルとクラッチのタイミングを工夫する
以上の3つの方法ですが、個人的に2と3の方法を推奨します。
2と3を推奨する理由
これはエンジン回転数を合わせるというマニュアル車にとって大切な感覚を学ぶことができるということと、クルマに優しい操作でマニュアルトランスミッションが痛んでギアチェンジに時間がかかるクルマでも対応できるからです。
シフトアップを素早く終わらせるということはその分トランスミッションに負担がかかります。
ですから、ギアチェンジの時間を短くするよりもアクセル操作でエンジン回転を合わせるほうがクルマには優しいです。
シフトアップでガクッとしない方法の詳細についてはこちらの記事をどうぞ。
まとめ
- シフトチェンジはエンジン回転数を意識する。
- ガクガクするときにはエンジン回転数があってない。
- クラッチを繋いだ時のエンジン回転の変化に注意する。
- シフトチェンジでクラッチを繋ぐときにはエンジン回転数を合わせてから繋ぐ。