コペンGRスポーツ1000キロレビュー

2019年10月にデビューしたコペンGRスポーツ。

購入して1000キロほど乗って感じたことを書いていきたいと思います。

 

コペンGRスポーツって?

コペンGRスポーツは2019年10月に追加された新グレードです。

2014年から販売を続けている2代目コペンをベースにボディ補強や空力を含むデザイン、サスペンションなどにトヨタGazoo Racingがモータースポーツで培ったノウハウを投入したグレードです。

このグレードのみトヨタディーラーでも販売しています。 

 

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コペンGRスポーツの良いところ

これはコペンと共通になりますが、屋根を開けて走った時のの爽快さは代えがたい楽しさがあります。

屋根を開けないと楽しくないのかというとそういうことはなく、屋根を締めた状態でも低い重心やタイトなコックピットなどスポーツカーとしての素質をもった良いクルマです。

マイルドな乗り心地や質感の高いステアリングなどと合わせて上質な印象も。

特に、乗り心地に関しては非常によくバランスされています。

私自身コペンはローブ(Sではない)にしか乗ったことがないのでローブとの比較ですが、路面の凹凸に対してとてもしなやかな足回りです。

ボディ補強の効果も大きく、屋根を締めた状態は勿論、屋根を開けた状態では特にボディ補強の効果を感じます。

コペンローブでは屋根を占めた状態でもボディ剛性不足による乗り心地への悪影響が多かったことからGRスポーツに施されたボディ補強の成果でしょう。

勿論、クローズドボディのクルマ に比べればボディの剛性感は劣りますが日常領域においては足回りを支えるのに十分なボディの剛性でしょう。

ドライビングポジションに関してはタイトながらも180センチの私が座れる程度のものは確保されています。

ただし、私の身長ではシートポジションの自由度はなく、前後位置は膝が当たるギリギリまで前に出して背もたれは後ろが壁にあたるまで寝かす必要があります。

それでもアルトワークスのドライビングポジションに比べると非常に運転しやすいドライビングポジションになっています。

私のクルマはMT車ですがクラッチストロークが短いことから運転自体は快適です。

以前コペンのCVT車には乗ったことがあるのですがそちらはコックピットが狭すぎる印象が強かったので背の高い方はMT車を積極的に検討するのもありだと思います。

MT車のシフトフィールに関してはストロークが長めで、かつカッチリとした印象は少ないフィーリングです。

こう書くとアルトワークスのカッチリしててストロークが短いシフトフィールを持ったクルマに比べると劣るような印象もあるかもしれませんが、シフトストロークが長いことによってトランスミッションとの対話がしやすくコントロール領域が広いとも言えます。

速さが重視されるハイパフォーマンスカー(高性能車)としてはマイナスですが、運転を楽しむスポーツカーとしては好ましいフィーリングです。

シフトノブは軽そうな印象があることからあえてコントロール性を残した味付けなのでしょう。(シフトノブは重いほうがシフトフィールが良くなるが車との対話はしにくくなる)

そして、オープンカーとしてはあまり重視されない部分ではありますがトランクがとても大きいです。

コペンの屋根はハードタイプのものを分割して収納するアクティブトップを採用しています。

これは通常のソフトトップ(布製の屋根)に比べると屋根をしまうために広いスペースが必要で、トランクに屋根を収納する関係上屋根を閉めている状態では広いトランクスペースになっているのです。

勿論、屋根を開けた状態ではボストンバッグが一つ入る程度のスペースです。

コペンは純正マフラーでも比較的良い音がするのですが、私はあえて純正オプションのHKSスポーツマフラーを付けました。

これは大正解で見た目的にも音の面でもとても良かったです。

現状慣らしで4000回転までしか回しておらず、アクセルも踏み込んではいませんが2500回転くらいから大きめの音がします。

屋根を閉めた状態では車内へはあまり響きませんがオープン状態ではかなりはっきりとした音が聞こえてきます。

 

 

コペンGRスポーツの悪いところ

まず、値段が高いです。

こればかりは屋根を開閉する機構なども積んでいる関係上難しいところではありますが、軽く普通車が買えてしまう金額です。

GRスポーツに関してはローブのベースグレードから約50万円(ローブSからだと約40万円)程度高い価格です。

ボディ補強も入り、BBSホイールやLEDヘッドライトとLEDフォグランプが標準装備となっていることから数字ほどの割高感はありません。

現状での一番の不満はシフトノブの質感が低いところです。

これは社外品に変えたりするなど対策が簡単なことから大きなマイナスポイントではありませんが、もったいない部分です。

軽い印象のシフトノブになっていることから質感よりもフィーリングを重視したのかもしれません。

そして、トランクスペースは広いものの床下スペースに余裕がなく三角表示板やタイヤエアゲージなどの置き場も困ります。

そうしたクルマに乗るうえで必要不可欠なものを置けるスペースが床下にあったらよかったのに、そう感じます。

前車アルトワークスでは床下に三角表示板を置けるスペースもあったことからそうした部分での改善がほしいですね。

また、寒い日に屋根を開けた際にはオートエアコンがオープン専用の設定に切り替わると良かったなと感じます。

オートエアコンは温度を上げても足元からしか風が出ないことからオープン状態では上半身が寒いです。

手動でダッシュボード正面からも風が出るようにすれば冬でも快適にドライブすることができるのでオートエアコンでもそういった設定に切り替わるようになってほしかったですね。

 

コペンGRスポーツは買いなのか?

古典的スポーツカーを求めるのであればコペンGRスポーツはオススメです。

GRスポーツに関しては落ち着いた印象が強いですが、走りの気持ちよさとのバランスがとても絶妙です。

注意しなくてはいけないのはハイパフォーマンスカー(高性能車)ではなくスポーツカーである点です。

過激さで言えばスズキアルトワークスのほうが強く、ミッドシップレイアウトを持ったS660のほうが速いです。

これはGRスポーツに限らずコペンにも共通することですが、コペンは速さよりもクルマと対話する楽しさが良いところです。

私自身、購入するまでコペンを高いと感じていました。

前車はアルトワークスだったのですが、運転の楽しさの方向性が違いクルマと対話するというよりもとにかく速く走らせようとするアルトワークスに対して、コペンはクルマに気を使って走らせることを要求される、そんなクルマでした。

ある意味では神経質な面も持った車ですが、その神経質さが逆にクルマとの対話につながっています。

GRスポーツに関しては一度オープンカーを所有してみたいそういった思いもあり購入しましたが結果大正解でした。

価格が高いかどうかは置いておいて、間違いなく良いクルマです。

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