自動ブレーキが作動しないのはどんな時?

前回は自動ブレーキの作動条件についてお話しましたが、作動しないのはどんな時なのでしょうか?

 

自動ブレーキが作動しないのはなぜ?

自動ブレーキが作動しないときというのは基本的にシステムの限界を超えてしまったときやシステムが迷ってしまったときです。

例えば、センサーの検知範囲を超えてしまえば危険な状況を検知することができませんし、システムが迷ってしまえば自動ブレーキをかけるかどうか正常に判断することができません。

自動車メーカーはあらゆる状況に対応できるようにシステムを作っています。

しかしセンサーには得意不得意があり、不得意な場面では正しく検知することができません。

勿論不得意な場面をカバーするように別のセンサーを付ければ良いのですが、残念ながらコストの都合によってできないことが多いです。

さらに、センサーの面で完璧にしたとしてもセンサーからの情報をうまく処理できないと意味がありません。

また、自動車メーカーは誤作動を減らすことも大切ですから作動させるかどうかの境目では必要な場面で作動しないことがあります。

そうした理由から作動しない場面というのも出てきます。

 

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どんな時に作動しない?

速度が高すぎる(低すぎる)

自動ブレーキは対処可能な速度が決まっています。

これはセンサーの検知範囲や精度によって決まってきます。

高すぎる場合にはセンサ-で検知できた時にはブレーキが間に合わなくなってしまいますし、低すぎるときには速度差が足りなくて精度が良くなかったり、センサーが使用できなかったりします。

対応速度は取扱説明書に記載されています。

 

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障害物が自動ブレーキの作動条件に入っていない場合

自動ブレーキはどんな障害物にも反応するわけではありません。

クルマ、歩行者、二輪車、壁などメーカーの考え方やセンサーの特性などによって対象とする障害物が決まっています。

これは誤作動を防ぐためでもあります。

なんでも作動させようとすると必要のないときに作動してしまうからです。 

 

運転手が意図的に操作している時

運転手が意図的に操作している時には自動ブレーキが作動しなかったり、作動するのが遅れたりします。

これは運転手が回避操作をしている場合や、衝突寸前でギリギリ回避しようとしている場合などに誤作動を防ぐためです。

そういった状況で自動ブレーキが作動すると逆に危険な場合があるからです。

そういったこともあり、自動ブレーキのシステムはアクセル・ブレーキ・ハンドル操作を監視しています。

また、アクセル全開時には自動ブレーキが作動しなかったりすることもあります。

 

天候が悪いとき

天候が悪いときにはセンサーが正しく検知することができません。

そのため雨や雪によって視界が悪くなるとエラーメッセージと共に機能が停止することがあります。

自動車メーカーは作動した際の安定性を重視します。

安定して作動できなくなる条件では早めに機能を止めてしまうんですね。

また、エラーメッセージが出てなくても天候が悪化すると作動しない確率が上がっていきます。

ある程度作動しない確率が上がるとエラーメッセージと共に機能が停止するというわけです。

 

逆光状態

基本的に自動ブレーキのシステムはカメラを使用しています。

これは検知したのが何であるか判別するためです。

そのため、カメラで検知できなくなると作動しなくなる自動ブレーキシステムは多いです。

逆光は起きやすい状況の一つで肉眼でも見難い状態では自動ブレーキが作動しない確率が高くなります。

ただし、複数のセンサーが組み合わされているものではカメラで検知できなくても警告だけは行ってくれるシステムもあります。

 

フロントガラスが汚れている時

大抵のシステムがカメラと組み合わされているのでフロントガラスが汚れていると作動しない確率が上がります。

フロントのカメラは基本的にワイパーがふき取れる範囲にあることから、ウインドウォッシャーを使って綺麗にすることで対処が可能です。

ただし、雪や泥が付着する状況ではカメラ以外のセンサーに酷い汚れが付着することがあります。

その場合には車体に付いたセンサーの汚れを落とすまで作動しない可能性が高いです。

 

障害物が左右に大きくずれている時

当然ですが基本的に自動車メーカーは誤作動のリスクを避けようとします。

ですから、ギリギリ横を抜けられるような条件ではできるだけ作動させないようにしたいんですね。

その為、大きく横にずれてギリギリぶつかるような条件では作動しないことがあります。

もしギリギリぶつかる条件でも確実に作動させようとするとぶつからないときに誤作動する可能性が高くなります。

 

形が判別できないとき

たとえば、歩行者が厚着をしていてシルエットが崩れていたり物を持っていてシルエットが崩れていると自動ブレーキが作動しないことがあります。

これは誤作動を減らすために障害物と認識する対象を絞っているためです。

他にもキャリアカーなどクルマと判別しにくい場合にも作動しないことがあります。

 

作動しなくても・・・

自動ブレーキの話題になると作動するかどうかというところが重視される傾向があります。

しかし、すべての条件で作動しなくても、自動ブレーキが付いていれば事故から助けてくれる可能性は存在するんです。

さらに、実際に自動ブレーキが作動しない条件でも警告だけは早めにしてくれるシステムもあります。

取扱説明書を読んで作動条件や作動した際にどのような動きをするのか事前に理解しておくことも大切です。

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