クラッチが焼けてしまったとき、できることは?
クラッチ焼けの原因
クラッチ焼けの原因は半クラッチで発生する熱です。
高熱によってクラッチ板の表面が焦げてしまっている状態が”クラッチが焼けている”という状態になります。
元々クラッチ板は発熱するものですから設計としてある程度の熱までは大丈夫なように出来ています。
とはいえ限度はありますから、限度を超えてしまうと焦げてしまうのです。
クラッチ板が焼けてしまったらどうすればいい?
クラッチ板の焼け度合いによって変わってきます。
これは症状によって分けられます。
焼けた匂いがする
クラッチ板が焼けた匂いだけであれば、あまり気にする必要はありません。
勿論、クラッチ板自体は高温になっていますからいつも以上に丁寧に扱う必要はありますが、すぐに何かしなくてはいけないということはありません。
クラッチの繋がりが甘くなることはありますが、冷えれば良くなるでしょう。
また、冷えても繋がりが甘い状態が続いている場合でも、丁寧に繋ぐことを続けていればクラッチ板の焦げた部分が削れて元に戻ります。
ただし、あまりにも強烈な匂いがしてきた場合、かなりの高温になっている可能性がありますから整備工場で診断してもらうことも考慮したほうが良いでしょう。
クラッチペダルから足を離しても半クラッチ状態のままになる
これはいわゆるクラッチが滑った状態です。
アクセルを強く踏んだ時に速度が上がっていないのにエンジン回転ばっかり上がってしまうような状態になります。
4速や5速のように高いギアでアクセルを強く踏んだ時にこの症状が出るのであれば、クラッチを滑らさないように丁寧に扱ってあげれば次第に回復してくる可能性があります。
これはクラッチ表面の焦げた部分が削れていくからです。
つまり、普段運転しているときにクラッチを滑らさないように走れるのであれば回復の見込みがあるということですね。
もし普通に走っていても半クラッチ状態が続くのであればクラッチ板を交換する必要があります。
そのまま滑らせた状態で乗ってしまうと、フライホイールというクラッチ板が当たるパーツがダメになってしまったり、クラッチ板が歪んでしまってクラッチペダルを床まで踏んでもクラッチ板が離れなくなってしまいます。
そうすると修理代が高くなってしまいますから早急に修理が必要です。
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ギアが入らなくなってしまった
これは熱でクラッチ板が歪んでしまっている状態です。
そうなってしまうと回復の見込みはないでしょう。
冷えれば多少良くなる可能性はありますが、ギアが入りにくい状態で運転を続けてしまうとトランスミッションを壊してしまうことになりますから修理が必要になります。
クラッチ調整ができるクルマの場合にはクラッチ調整を行えばごまかすことは可能ですが、クラッチ自体は歪んでいるので通常より早めに交換が必要になります。
いずれにしても、クラッチを焼いてしまった後にギアが入らなくなる症状がでたら一度整備工場に持っていくことをオススメします。
匂いだけならあまり気にしないで
MT車に乗っていると段差がある駐車場などでクラッチが焼けた匂いが多少してくることはあります。
クラッチ板は消耗品ですからあまりシビアに考えすぎるのもよくありません。
とはいえ、匂いがしてきたときにはクラッチ板の温度が上がってきていることの証拠ですから半クラッチの頻度を減らして温度を下げてあげることも大切です。
ただし、強烈な匂いがしてきた場合には温度がかなり上がっているので注意が必要です。
その時には走りに異常がないか観察することが大切です。
クラッチを焼かないためには?
クラッチを焼かないためにはクラッチ板の温度を上げすぎないことが大切です。
半クラッチを使えば使うほどクラッチ板の温度が上がりますからまずは半クラッチの頻度を減らすのが大切です。
その上で、半クラッチの最中にはあまり強くアクセルを踏みすぎないように気を付けてください。
クラッチを焼かない運転に関してはこちらの記事がオススメです。
ギアが入りにくくなったりするなど違和感を感じたら出来るだけ早く整備工場へもっていくことが大切です。
ギアが入りにくいということはトランスミッションに負担がかかっている証拠ですから、最終的にトランスミッションの故障につながることも。
早めに修理すればクラッチ板だけで済んだところがトランスミッションの修理も必要になってしまうということですね。
トランスミッションの修理は高額になりやすいですから、クラッチ板だけで済むときに修理を済ませてしまうのが大切です。
また、強烈な匂いがしてきたとき、走りが正常か自分で診断するのが難しいと感じたら整備工場へもっていくことも考えましょう。
慣れていればクラッチの滑りはわかりますが、慣れていないと小さな滑りに気づくのは難しいです。
フライホイールも安くはありませんから早めに診断してもらいましょう。