クルマを快適にしてくれるエアコンディショナー(A/C)ですが、実は運転のしやすさでは逆効果なんです。
エアコンディショナーって?
エアコンパネルではA/Cと表記されていることが多いです。
クルマの空調では単独のスイッチがあり、A/Cのオンオフを切り替えることができます。
A/Cがオンの状態ならエアコンで外の気温より低い温度の風を出すことができます。
逆に言うとA/Cがオフの状態では送風か暖房しか使えません。
A/Cの仕組み
A/Cはエンジンの回転を利用してコンプレッサー(圧縮機)を動かすことで外の気温よりも冷たい風を作り出しています。
クルマの場合には家庭用のエアコンなどとは違い、その時に出来る限り冷やした風に暖房で温めた風を混ぜて希望の温度になるように調整されています。
昔のクルマではコンプレッサーは常に全力で働いていましたが、最近のクルマではコンプレッサーが働く量も自動でコントロールされていることが多いです。
A/Cの運転への影響
燃費
日本の夏では必須のエアコンディショナーですが、コンプレッサーがエンジンの回転を利用していることからエンジンの負担になっています。
昔のクルマでは常に全力で働いていたために冬場もA/Cをオンにするとエンジンの負担が大きく燃費が非常に悪くなりました。
最近のクルマは外の気温と設定温度に合わせて必要な分だけコンプレッサーを動かすようになっているので昔よりも燃費への影響は少なくなっています。
真夏の暑い中ではコンプレッサーが全力で動くので従来通りエンジンの負担が大きく燃費は悪くなります。
パワーが減る
A/Cで作動するコンプレッサーはエンジンの回転を利用していますから、エンジンのパワーを使います。
つまり、アクセルを踏んだ時のパワーが少なくなるんです。
最近のクルマはアクセルペダルも電子制御されているのでエアコンを使ってもアクセルを踏む量が普段と変わらないように制御されています。
アクセル全開にした時やエンジン回転が高くなった時にはコンプレッサーがオフになるようにできているので強い加速をする時には大きな影響はありません。
エンジン回転が落ちやすくなる
A/Cはエンジンにとって負担となるコンプレッサーを使っています。
つまり、A/Cを使うとエンジンにとっては回転を止める方向に力がかかるんです。
ATでは特に問題にはなりませんが、MTの場合にはシフトチェンジの時にエンジン回転が落ちやすくなってしまいます。
つまり、シフトアップの時にガクガクしやすくなるんですね。
また、シフトダウンの時にもエンジン回転が上がりにくく落ちやすくなるのでエンジン回転が合いにくくなります。
軽自動車のMT車はA/Cをオフにすると特に乗りやすくなる
軽自動車のMT車の場合、特にA/Cオフの効果はわかりやすいです。
普通車の場合にはエンジン自体が大きいですからそれほど気になりませんが、軽自動車の場合にはかなり大きな影響になるからです。
A/Cをオフにすることでシフトアップがかなりやり易くなりますし、加速も軽やかで走りやすくなります。
A/Cをオフにするだけなら送風はできますから、真夏でなければ影響はあまりでません。
さすがに真夏は窓や屋根を開けないと暑くて大変ですが・・・。
真夏は素直にA/Cを使うのが良いでしょう。
雨の日はA/Cオン
軽自動車はA/Cオフが良いと書きましたが、雨の日はA/Cを使いましょう。
A/Cには除湿効果があります。
つまり、窓が曇りにくくなるんですね。
A/Cを使わずに曇りを取ろうとすると工夫が必要で、正直危ないので素直にA/Cを使ったほうが安全です。
エンジン回転が落ちにくいクルマは逆効果
最新のドイツ車などの場合、エンジン回転が非常に落ちにくく設計されているクルマが多いです。
そういったクルマの場合にはA/Cをオフにすると逆に運転しにくくなることも。
元々影響が少ないクルマではA/Cをオフにする意味はあまりないかもしれません。
とはいえ、燃費を考えると必要ないときにはオフにするのもありですね。
月に1度はA/Cオン
クルマのエアコンはA/Cがオンの時のみオイルを含むエアコンガスが循環しています。
つまりA/Cをオンにした時にエアコン内部にオイルが回るようになっているんですね。
しばらくA/Cを使わないと内部をカバーしているオイルが乾いてしまって故障の原因になることも。
月に1度はA/Cをオンにしてエアコンガスと一緒にオイルを循環させてあげると良いでしょう。
普段からエンジン回転数を意識することが大切
普段からエンジン回転数を意識してスムーズな運転を心がけることでA/Cがオンの状態でもスムーズに運転することができます。
逆に言えば、A/Cがオンの状態でスムーズに運転できないのはエンジン回転数への意識が足りないとも言えます。
特にシフトアップ後のエンジン回転数というのは意外と忘れがちですから、シフトアップ後にクラッチを繋ぐときにエンジン回転数が次のギアにあっているかを意識して運転してみましょう。
エンジン回転数を意識することでよりスムーズな運転になるでしょう。