MT車で停止するときギアはどうしてますか?
知らないと悩みやすい止まるときのギア選択
MT車ではいつギアチェンジするか、自分で決められるのがメリットです。
止まるときもいくつか選択肢があります。
勿論状況によって使い分けるものではありますが、基本的な考え方について解説していきます。
止まる時の選択肢
Nに入れて減速する
この方法はエンジンブレーキを使わずに減速していく方法です。
減速が必要になった時にNに入れるか、クラッチペダルを踏んでしまって惰性とブレーキだけで減速していきます。
ギアを入れたまま減速する
シフトダウンなどはせずに、ギアはそのままで減速していくパターンです。
ある程度減速してエンジン回転が1000回転ほどになったらクラッチペダルを踏んであとはエンジンブレーキ無しで減速します。
シフトダウンをしながら減速する
積極的にシフトダウンをしながら減速していく方法です。
停止寸前までエンジンブレーキが効くようにシフトダウンしていきます。
止まる時のことを考える上で覚えておいたほうが良いこと
燃料カット
今のクルマはいろいろな部分が細かく制御されています。
勿論エンジンに関しても例外ではありません。
エンジンの中で燃料を使う時にも細かな制御があり、その中でも燃料カットというものがあります。
燃料カットはその名の通り、エンジンへ燃料を送らないようにすることです。
この燃料カットには3つあります
レブリミッター
これがエンジン回転数がレッドゾーンに入った時に燃料をエンジンに送らないようにしてそれ以上エンジン回転数が上がるのを防ぐ機能です。
エンジンはレッドゾーンに入ると壊れてしまいますからレッドゾーンに入った時には燃料カットが働いてそれ以上エンジン回転が上がらないようにしてエンジンが壊れないようにしてくれます。
車種によってはアクセルを制御してエンジン回転数が上がりすぎないように制御するクルマもあります。
速度リミッター
速度リミッターに関しては日本車では普通車が時速180キロ、軽自動車が時速140キロになるとそれ以上の速度が出せないように速度リミッターがかかります。
日本車だけではなく、外国車でも時速220キロ~時速270キロ程度で速度リミッターが働くクルマがたくさんあります。
メーカーが設定した速度になると燃料をエンジンに送らないようにすることでそれ以上速度が出ることを防ぎます。
レブリミッターと同様にアクセルを制御して速度がそれ以上上がらないようにする車種もあります。
減速時の燃料カット
今のクルマでは減速時にエンジン回転数がある一定以上の時にアクセルペダルから足を離すと、燃料をエンジンに送らないようにしてくれます。
こうすることで無駄な燃料が減るだけではなく、排気ガスもより綺麗なものになります。
基本的に今のクルマは例外なくこの機能が付いています。
ただし、エンジン回転数が低いときにはエンジンが止まるのを防ぐためにこの機能が働かないようになっています。
止まる時それぞれの方法の良い点と悪い点
さて、燃料カットについて説明したところでそれぞれの良い点悪い点を考えてみましょう。
Nに入れて減速する
良いところ
この方法ではエンジンブレーキがないのでブレーキに頼った減速になります。
緩い減速の時にはブレーキランプが早い段階から点くので追突防止になります。
また、エンジンブレーキはエアコンの効きやエンジン回転数によって強さが変わります。
この方法ではエンジンブレーキを使わないのでブレーキの調整がしやすくなります。
惰性であまり速度を落とさずに走れるので、アクセルを踏んだまま進むより燃費が良くなることがあります。
悪いところ
まず、エンジンブレーキが効かないのでブレーキの負担が増えます。
これはこの方法の一番の弱点で、ブレーキが減りやすくなります。
また、坂道が続く道でこれをやるとブレーキが過熱して危険な状態になることも。
また、減速中に燃料カットが使えないので状況によっては燃費が悪くなります。
ギアを入れたまま減速する
良いところ
ゆっくり速度を落とすときには緩いエンジンブレーキが続くことから燃料カット状態で長く走れます。
また、アクセル操作に対してクルマがゆっくり反応するので少しだけ加速したいときにスムーズに走らせやすいです。
特殊な操作をしないのでクルマに対して優しく、燃費と両立できる方法です。
悪いところ
シフトダウンしないので再加速の時にもたつくことがあります。
また、エンジンブレーキが弱いので強めのブレーキではエンジンブレーキを活用できません。
シフトダウンをしながら減速する
良いところ
減速に応じてしっかりしたエンジンブレーキを効かせることができますから、ブレーキの摩耗が少ないです。
また、適切にシフトダウンしていくと燃料カットをより長く使えるので燃費が良くなります。
再加速が必要なときにはアクセルを踏むだけで加速できるのでもたつくことがありません。
悪いところ
シフトダウンの頻度が増えるのでMTの摩耗が増えます。
また、アクセルペダルでエンジン回転数を合わせる操作をしないとクラッチ板の摩耗も進みます。
エンジン回転数が高めになるので走り方によってはスムーズに走りにくくなることも。
緩い減速ではブレーキペダルを踏まなくても減速できてしまうのでブレーキランプが光らないために追突のリスクが高くなります。
ギアを入れたまま減速するのが一番使いやすい
それぞれの良いところと悪いところを考えると、この方法が一番使いやすいでしょう。
クルマにとっても負担が少なく、燃費も悪くならない方法だからです。
事実、実際に運転している時に一番使う方法がこれです。
もしMT車の運転に慣れていなければとりあえずこの方法で減速しておけば問題ないです。
状況によって別の方法が良いことも
さて、最も使いやすい方法はギアを入れたままが良いと書きましたが、実際にMT車に乗る時にはどの方法がベストなのか考えて選択しながら乗ることになります。
例えば、前に止まっているクルマが居たとします。
減速しながら前のクルマに接近した時に、前のクルマがが動きだしそうなときにはシフトダウンをして減速することで前のクルマが動きだしたときにすぐに対応することができます。
そのように、他の方法がベストな状況も存在しますから今はどの方法がベストなのか、判断しながら運転することもMT車の楽しさの一つです。