電スロの問題は開くときより閉じる時のほうが大きい

電スロ(電子制御式スロットル)は反応が悪いとかいろいろな評価がありますよね。

しかし、意外と見逃されている部分があります。

 

電スロって?

電スロは電子制御式スロットルの略で、エンジンに入る空気の量を調節するスロットルが電子制御されているタイプのことを指します。

今のクルマはまず例外なく電スロが付いています。

CVT車の燃費の秘密の一つは電スロとCVTを共に制御していることだったりするので、良好な燃費や綺麗な排ガスのために大切な装備の一つです。

 

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電スロは有能

基本的に電スロは燃費を良くするためだったり、乗り心地を良くするために反応が悪くなるように作られています。

街中ではそのおかげでアクセルが扱いやすかったり、粗いアクセル操作をしても燃費が悪くならないといったメリットがあるんですね。

アクセルペダルを素早く踏み込んだ時には一瞬多めにパワーを出すことでエンジンが素早く反応するように設定されていることも。

さらに、少ないアクセル操作の量でも大きくスロットルを動かすことで、加速の良さを演出できるので、自動車メーカーにとっては”味付け”をしやすいのも電スロのメリットなんです。

 

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電スロが邪魔になることも

そんな風に有能な電スロですが、場合によっては邪魔になることも。

普段何気なく運転するときには気を使わなくて済む電スロですが、あえて細かくコントロールしようとすると言うことを聞かないことがあります。

例えば、MT車の場合には素早くエンジン回転を上げたいときもありますが、電スロが付いている場合にはアクセルペダルを素早く踏んでもエンジンの反応が鈍くなってしまうことも。

 

電スロが邪魔になるとき

アクセルペダルを素早く踏み込んだ時

電スロというのは基本的にドライバーが雑な操作をしてもそれを補正してスムーズにしてくれる制御が入ります。

つまり、素早く踏んでもエンジンは反応してくれないんです。

激しい走りをしている時にはダイレクト感が足りなく感じてしまいますが、一般道では有難い制御ではあります。

 

アクセルペダルを素早く離すとき

意外と指摘されることが少ない部分なんですが、電スロというのは閉じる場合にも制御が入り閉じるのが遅くなります。

素早く閉じてしまうと扱いにくくなってしまうからですね。

この制御はメーカーごとに癖があり、メーカーによってはかなり明確に遅らせることも。

アクセル全開からブレーキに移るときにはその遅れによってブレーキのバランスが崩れて思ったより止まらなくて怖い思いをする時もあります。

一番わかりやすいのはMT車でのシフトアップの時です。

街中のようにアクセルの踏み込みが浅いときには問題ないんですが、アクセル全開で加速している時にシフトするときには明確に邪魔になります。

つまり、アクセルペダルを離してもまだスロットルが開いたままなので、シフトのためにクラッチペダルを踏むとエンジン回転が一時的に上がってしまうんです。

歴史が長く、ハイパフォーマンスカーとして有名なWRXを引き合いに出すのはちょっと気が引けますが、一番わかりやすいのがこのクルマです。

かなり明確にエンジン回転が上がってしまってます。

センターのディスプレイに出ているアクセル開度情報ではアクセルOFFしてシフトしているので確実に電スロのセッティングが原因でしょう。

上がったところで大きな影響はありませんが、激しく走る場合にはクラッチやMTへのダメージが確実に増えるので注意しましょう。

今のクルマはこういった”遅延”があるクルマも多いので、そういったクルマでは遅延を意識してアクセルオフする技術が必要になります。

 

ブレーキオーバーライドが邪魔になることも

最近のクルマはブレーキオーバーライドという機能が付いています。

これはアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏むとアクセル操作を無視してブレーキを優先する制御です。

何かの原因でアクセルが全開になって戻らなくなってしまった時や、踏みかえ時にアクセルペダルに足が引っかかってブレーキペダルと同時に踏んでしまった時に役に立つ機能なのです。

とはいえ、MT車の場合にはちょっと問題になる場面も。

MT車ではブレーキペダルを踏みながらシフトダウンをしつつ、アクセルペダルを踏んでエンジン回転数を合わせるヒール&トウという技術があります。

ブレーキペダルを踏みながらアクセルペダルを踏むのでブレーキオーバーライドが作動してしまうことがあるんです。

大抵のクルマで問題なくヒール&トウはできますが、ごくたまに制御の隙間でブレーキオーバーライドが誤作動するクルマがあります。

HA36S型アルトワークスでは基本的に問題なくヒール&トウを使うことができますが、ブレーキペダルを踏み始めた直後だけは一切アクセル操作を受け付けないという癖がありました。

完全にアクセル操作を受け付けないわけではなく、そのままのエンジン回転数を維持する程度にはエンジンが反応しているようですが、実際にこの症状が出ると焦ります。

しかも一度ブレーキオーバーライドが働くと、数秒間はアクセル操作をしてもエンジン回転数が一定以上上がらないようになってしまうので踏みなおしたところで意味はないんですね。

そんな風に制御の隙間で走りにくさが出てしまうクルマもあります。

 

電スロは必要な技術

そんな風にデメリットも多い電スロですが、今の時代に必須な技術です。

自動ブレーキの作動時にはアクセル操作を無効にする必要がありますし、オートクルーズの機能にも電スロの技術は重要です。

今のクルマで上手く運転するためには、電スロなどコンピュータの癖も考えて運転する必要があるんですね。

 

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