マニュアル車のシフト操作は楽しい反面、トラブルが発生してしまうことの多い場面です。
今回はそんなマニュアル車のシフト操作トラブルを防ぐためのコツについてです。
シフト操作の肝はシフトノブの動かし方
MT車のシフト操作時のフィーリングが悪かったり、ギアが入りにくかったりするとMT本体が原因だと考える方も多いと思います。
ですが、シフト操作の癖によってシフトフィールが変化するのをご存じですか?
基本的にギアに入った状態からシフトノブをNに動かすとき(ギアを抜く時)に出来るだけ素早く動かすようにするとギアの入りが良くなります。
Nに動かすときの速度が遅いと起きること
- ギアが抜けにくくなる
- シフトフィールが悪化する
- 2速ギアがギア鳴りしやすくなる
- 1速や2速ギアへのシフトダウンが硬くなる
ギアが抜けにくくなる
ギアに入った状態からNにシフトノブを動かすときに動きが悪くなります。
走行中にはタイミングが合わないとギアが抜けなくなることもあり、MT本体にも負担がかかります。
特に1速ギアは影響が大きく、1速ギアに入った状態からNに動かすときに引っかかるようになって力を入れないとギアが抜けなくなることも。
シフトフィールが悪化する
ギアが抜けにくくなるのも含まれますが、全体的にシフトフィールが硬くゴリゴリとした印象が強くなります。
ギアがすんなり入ることは少なくなり、ゴリゴリ・コツコツと何かが当たる感触がシフトノブを通して伝わってくるようになります。
シフト操作自体がやりにくくなるのでシフト操作にも悪影響が大きいです。
特に素早いシフト操作がやりにくくなるでしょう。
2速ギアがギア鳴りしやすくなる
シフトノブをNに動かすときの速度が遅いと2速ギアがギア鳴きしやすくなります。
また、ギア鳴きまではいかなくてもゴツゴツとギアが当たる感触がシフトノブに伝わることもMT車ではよくあります。
シンクロの強さとMT内部のオイルの相性なのでオイルを化学合成オイルに変えたりすると良くなることも。
ただ、シフトノブをNに動かすときに素早く動かすとこの現象が抑えられる可能性が高いので、試してみる価値はあるでしょう。
素早いギアチェンジをする時にはシフトノブをN方向に動かし始めたら動きを止めずにそのまま次のギア(ここでは2速ギア)に押し当ててしまったほうがギアが綺麗に入るでしょう。
1速や2速ギアへのシフトダウンが硬くなる
これはとても影響が大きいです。
症状によってはクルマが少しでも動いていると1速へのシフトダウンがかなり重たくなって力が必要になることも。
街中でも運転がとてもしにくくなります。
症状がすでに出ていたら
上で紹介した症状がすでにでていたら、MTの慣らしをすることをオススメします。
これは新車でも必要な場合があり、ある程度走行距離が進んだクルマでも症状が出ているのであれば改善しやすくなります。
MTの慣らしは簡単で、クルマを停めた状態でエンジンをかけてクラッチペダルを踏んだままシフト操作を繰り返すだけです。
その時にはギアに入った状態からNに動かすときに素早く動かすように意識しつつ、ギアを入れる時にはシンクロの動きに合わせて動かしてあげるのが大切です。
MTの慣らしについてはこちらの記事に詳細があります。
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力を入れすぎないことも大切
シフト操作を素早くすると力が入ってしまいがちですが、シンクロ関係についた癖が解消されると力を入れなくてもシフトノブを素早く動かすことができるようになります。
特にすでに癖がついてしまっている状態では抵抗があってあまり速くは動かせないと思います。
そんな時には強引に動かすのではなく、力をあまり入れずに少しずつ速くしていくようにしていくと良いでしょう。
馴染むと力を入れなくても素早く動かせるようになります。
ギアを抜く時に力を入れてシフトノブを操作してしまうとギアを入れる時にも力ずくで強引に操作してしてしまうことがあるので、力を入れすぎないように意識して動かすようにしてください。
シフトノブを意識的に素早く動かすのが大切
普段から十分素早く動かしていると感じる方も多いかもしれません。
ですが、症状が出ているならその速度は不十分な可能性もあります。
勿論、別のことが原因の可能性もありますがもう少しNに動かすときの速度を速くしてみて様子をみるのも大切でしょう。