マニュアル車で発進するときに注意すべき点やコツについてです。
MT車の発進で大切なこと
MT車の発進ではクラッチペダルの動かし方が一番大切です。
クラッチペダルさえ上手く操作出来ればまずエンストすることはなくなります。
基本的に、エンジン回転数が低いほど・アクセルペダルの踏み込み量が少ないほどクラッチ板の摩耗は少なくなります。
ただ、アクセルペダルの踏み込み量が少なければエンジン回転数はすぐに低いところで落ち着くのでエンジン回転数はそこまで意識しなくても大丈夫でしょう。
また、素早く加速したいときにも半クラッチ中はアクセルペダルの踏み込み量を抑えて、クラッチが完全に繋がったら(半クラッチが終わったら)アクセルペダルをさらに踏み込むようにすると良いでしょう。
発進のコツ
- アクセルペダルを安定させる
- ミートポイントでは特に丁寧に
- 発進をコントロールするのはクラッチペダル
- エンジン回転数は気にしすぎない
- ショックや振動が出ないように注意する
アクセルペダルを安定させる
MT車に慣れない時にはアクセルペダルとクラッチペダルをむやみに動かしてしまいがちですが、まずはペダル操作を安定させるのが大切です。
MT車の発進で一番大切なのはクラッチ操作なので、まずはアクセルペダルを一定に踏んだ状態でクラッチ操作に集中するようにしましょう。
慣れてきたら、発進の度合いに応じてアクセルペダルを調節しても良いのですが発進をコントロールするのはクラッチですから、クラッチペダルは丁寧に動かすように注意しましょう。
ミートポイントでは特に丁寧に
クラッチはミートポイント付近がとても大切です。
ミートポイントというのは半クラッチが始まる場所(=クラッチが繋がり始めるところ)のことです。
そして、発進で大切なのがミートポイント付近のクラッチ操作です。
ミートポイントではまだクルマは動き始めていないのでエンジンに負担がかかりやすい状況です。
エンジンに負担がかかりやすいのでエンストもしやすいんですね。
逆に言えばミートポイントで丁寧にクルマを動かせばあとはクラッチ操作で失敗してもエンストする確率というのは低くなります。
ミートポイントが大切というのは言い換えればクルマが動きだすところが大切ということでもあります。
動き出しで丁寧にクラッチ操作出来れば発進もうまくできるようになるでしょう。
ミートポイントを調べる方法
クラッチのミートポイントで丁寧に発進させるためにはクラッチのミートポイントがどこか知る必要があります。
クラッチのミートポイントを知るためには平らな場所(サイドブレーキを解除してもクルマが動かないところ)でギアを1速に入れてブレーキを解除します。(サイドブレーキ、フットブレーキ共に)
そしてゆっくりとクラッチペダルを戻してくるとミートポイントでクルマが動き始めます。
ここで大切なのはクルマが動きだしそうになるポイントを探すことです。
ミートポイントというのはクラッチが繋がり始めたところなのでクルマが明確に動き始める場所ではなく、クルマが微妙に動き始めたポイントだからです。
そして、ミートポイントがわかったら床までクラッチペダルを踏みなおしてから何度もミートポイントまでクラッチペダルを動かしてみます。
何度もやることでなんとなく場所がわかるようにするんですね。
実際にはクラッチ板の温度によってミートポイントはほんの少し変化するのでなんとなくわかるようになればOKです。
発進をコントロールするのはクラッチペダル
AT車で発進をコントロールするのはアクセルペダルですが、MT車ではクラッチペダルを使って発進をコントロールします。
つまり、MT車で半クラッチ中に加速を調節するためにアクセルペダルを踏み込んでも加速は変化しないんですね。
実際にはクラッチペダルとアクセルペダルの連携が大切なのですが、クラッチペダル操作にアクセルペダル操作を合わせる形になります。
そういった理由があるので発進時にはクラッチペダル操作が大切なんですね。
エンジン回転数は気にしすぎない
MT車の運転を教える際に発進でアクセルペダルを踏む量の目安としてエンジン回転数が使われることが多いので、エンジン回転数を気にしすぎてしまうことがあります。
確かに低いエンジン回転数で発進したほうがクラッチ板の摩耗が減るのは事実です。
しかし、エンジン回転数が低くてもアクセルペダルの踏み込み量が多ければクラッチ板は減りますし、エンジン回転数が高くなってしまってもアクセルペダルをあまり踏まなければエンジン回転数もすぐに下がってしまうのでそれほどクラッチ板は摩耗しません。
さすがにエンジン回転数が3000回転、4000回転となってしまうのは問題ですが、2000回転程度であればそれほど問題はありません。
それよりも注意すべきなのはアクセルペダルの踏み込み量です。
発進時にはアクセルペダルの踏み込み量は少なめにして、半クラッチを終わらせてからアクセルペダルを踏み込んで本格的な加速をすると良いでしょう。
ショックや振動が出ないように注意する
発進時にエンジン回転数が下がりすぎてエンジンや車体がガタガタと震えるような発進の仕方はしないように注意しましょう。
振動するような発進の仕方はクルマにとって良くありません。
振動がある発進をしてしまってもクルマがすぐに壊れることはありませんが、クラッチ板やMT本体の寿命には影響します。
できるだけスムーズに発進できるようにしましょう。
エンストしないためには
エンストしないためには半クラッチで無理しすぎないことが大切です。
無理してエンジン回転数を低く保とうとしたり、無理して半クラッチを短くしようとエンストしやすくなります。
アクセルペダルの踏み込み量を少なめに一定に踏んだまま、クラッチペダルを丁寧に動かせばエンストは避けることができます。
そして半クラッチを終わらせてから加速、という風にしておけば半クラッチが長くなってしまうこともありません。
とにかく、落ち着いて半クラッチを終わらせることが大切です。