マニュアル車で渋滞にはまってしまった時、どう走れば良いのでしょうか?
渋滞では長時間の半クラッチに注意
MT車で渋滞を走るときには半クラッチを使いすぎないように注意しましょう。
半クラッチを使っている間はクラッチ板の温度が上がってしまうからです。
温度が上がりすぎるとクラッチ板が摩耗しやすい状況になったり、最悪の場合にはクラッチ板が焼けてしまって故障の原因になることもあります。
半クラッチを少し繰り返したからといってすぐにクラッチ板が焼けてしまうことはありませんが、クラッチ板の温度を知ることはできないので半クラッチを使う回数は減らしたほうが良いでしょう。
MT車で渋滞を走るコツ
- できるだけクラッチを繋いで走る
- 先を見る
- 車間距離をとる
- 細かく前進しない
- 断続クラッチを活用する
- 止まっているときはNにする
- 大型トラックの後ろを走る
できるだけクラッチを繋いで走る
半クラッチを使っている時にはクラッチ板の温度が上がり続けている状況です。
MT車で渋滞の中を走るときにはできるだけクラッチを繋いで走ることを意識しましょう。
たとえば、1速ギアなら1000回転で走れるところを2速ギアで半クラッチを使って走ってしまうとクラッチ板の温度を無駄に上げてしまうことになります。
クラッチを繋いだ状態を維持できるようにギアを選ぶことが大切です。
また、クラッチを繋いだ状態で継続して走れるように速度を調整するとよいでしょう。
先を見る
MT車で渋滞にはまってしまった時には数台先を見るようにすると運転が楽になります。
これは普段の運転でも大切なことですが、渋滞でも重要です。
例えば、2台前のクルマのブレーキランプが消えれば発進することが予想できるのでギアを入れて準備ができますし、発進してすぐに停止するときにも先を見て予想すれば発進直後にギアチェンジをせずにギアをNにして惰性で進んだりできます。
常に無駄なことをしないように心がけると渋滞が楽になります。
車間距離をとる
MT車では渋滞時の車間距離の重要性を感じることが多々あります。
渋滞では大抵のクルマが加速と減速を頻繁に繰り返しますが、MT車ではその流れに素直に従ってはいけません。
基本的に流れに乗って走る必要はありますが、車間距離だけは十分にとって走ることを心がけましょう。
車間距離を取って速度変化ができるだけ穏やかになるように走るとMT車でも走りやすいでしょう。
ただし、街中で信号が連続している場合などでは車間距離を取りすぎると渋滞を助長させかねないので注意しましょう。
流れを乱さない範囲で車間距離を決めるのが大切です。
高速道路などではかなりしっかり車間距離を取ったほうが渋滞も緩和されるのでオススメです。
これは渋滞吸収走行と呼ばれます。
渋滞時に加速中や一定速度で走っている時には車間距離を十分にとり、減速した時には車間距離を使ってできるだけ停止しないようにすると渋滞も短くなりクラッチにも優しい運転になります。
細かく前進しない
AT車ではブレーキペダルから足を離すだけで前進できるので細かく前進を繰り返すことが多々あります。
そんな時には大きく動く時まで止まったまま待つようにしましょう。
細かく前進を繰り返すとクラッチ板も減りますし、クラッチ板の温度も上がります。
進んだところで大して意味はないので止まったまま待つのが良いんですね。
とはいえ、前に大きくスペースが空いているのは後続車の心象としては良いことではないので、前のクルマが1M以上動く時には前のクルマに合わせて動くようにしましょう。
また、信号が連続しているような場所では後ろのクルマの動向も見て、場合によっては細かく詰めて走ることも考えてください。
特に交差点を過ぎた直後では後ろのクルマが交差点にはみ出してしまっていることが多々あります。
そういった時には多少詰めて他のクルマが円滑に走れるようにしましょう。
断続クラッチを活用する
1速ギアで半クラッチを使う速度で走らないといけないことも時々あります。
そんな時には断続クラッチを活用しましょう。
断続クラッチは半クラッチ状態とクラッチを切った状態(=クラッチペダルを床まで踏んだ状態)を交互に繰り返す走行方法です。
連続で半クラッチを使わないで済むのでクラッチ板の温度も上がりにくくなります。
止まっているときはNにする
渋滞時にはクラッチペダルを踏む機会が多くなります。
渋滞中、ずっとギアを入れてクラッチペダルを踏んだままにすると足も疲れますしクルマにもよくありません。
止まった時や停止することがわかっている時にはニュートラルにしてクラッチペダルから足を離すようにしましょう。
大型トラックの後ろを走る
大型トラックはMT車の可能性が高いクルマです。
クラッチ板の摩耗を減らす運転を心がけていることも多いので、MT車に乗って渋滞にはまった時はMT車の大型トラックの後ろを走ると楽な場合があります。
ただ、渋滞中に先が見えにくくなってしまったり、速度が上がると飛び石に当たる可能性が高くなってしまうのでそのあたりは注意しましょう。
最近は大型トラックでもAT車が増えているのでクラッチ板に優しくない運転をするドライバーも時々います。
上り坂で渋滞したときには?
上り坂で渋滞になったら半クラッチ時のアクセルペダル操作に注意しましょう。
坂道発進を繰り返すことになるのでアクセルペダルをたくさん踏み込んで発進してしまうとクラッチ板の温度が上がりやすくなってしまいます。
発進できる最低限の踏み込み量で発進することが大切です。
また、上り坂で細かく進むときには断続クラッチを使ってもクラッチ板の温度が上がってしまう可能性が高いです。
前のクルマがある程度進むのを待ってから発進するようにしましょう。
発進したら”クラッチを繋いだままでもエンジンが振動しない範囲で”できるだけ低速でゆっくりと進むことで時間を稼ぐことができます。
できるだけ発進回数を減らしてクラッチ板が冷える時間を確保してあげることが大切です。
街中ではメリハリをつける
街中の信号が原因で渋滞している時にはメリハリをつけて運転することも大切です。
どうしても発進加速は多くなってしまいますが、そこでゆっくり走ると渋滞を助長させてしまうことがあるからです。
高速道路や信号が全くない幹線道路を走っている場合には車間距離を多めに取りつつ走ることが大切ですが、信号が連続する場所ではできるだけAT車に続いて走るように心がけましょう。
アクセルの踏み込み量を減らして発進することも大切
渋滞では特にアクセルペダルの踏み込み量を減らして発進することが大切です。
半クラッチの回数はどうしても増えてしまいますから、半クラッチをする時にクラッチ板の負担を減らすことがとても大切なんですね。
できるだけ半クラッチを短く、クラッチを繋いだ状態で走る時間を増やしてあげれば渋滞でもクラッチを焼いてしまうことはまずありません。
むしろ速度調節はAT車よりもMT車のほうがやりやすいので慣れれば渋滞もAT車より楽に感じることが多々あります。
AT車と同じ運転をせずに、MT車に合わせた運転をすることが大切です。