日本において一番一般的なトランスミッションであるCVT。
今回はそのCVTの問題点について解説していきます。
CVTが運転しにくい理由
CVTが運転しにくく感じるのはアクセルを踏んだ時の反応の悪さや、エンジンブレーキの効き方に違和感があることが原因です。
CVTは固定されたギアが存在しないので常に最適なエンジン回転数を保てる反面、アクセルに合わせてギア比が変化するので違和感を感じやすいトランスミッションでもあります。
また、常に低回転を保つのでエンジンブレーキが効きにくくなっていることから、制御によってアクセルを離したときにはワンテンポ遅れてエンジンブレーキが効くようになっているので速度を微妙に調節したいときにも違和感を感じやすいんです。
CVTってどんなトランスミッション?
CVTは無段変速機の略
Continuously Variable Transmission
これが正式名称になります。
日本語に直すと無段変速機です。
その名の通り無段階で変速ができることからそう呼ばれています。
無段階に変速できるものをまとめてCVTというため、構造はさまざまです。
CVTは理想的なATの一つ
いろいろ言われるCVTですが、AT車に求められる柔軟性の面で無段階に変速できるCVTはメリットが多く、理想的なATの一つです。
無段階に変速できるということはその時に応じて適切なギア比を選ぶことができるのです。
CVTのメリットはスムーズさと低燃費
CVTは変速が無段階に行えることから加速がとてもスムーズです。
さらに、無段階に変速できる特性によってエンジンが最も効率よく力を発揮できるエンジン回転数を維持できることから低燃費を支える技術になっています。
さらに、常に適切なエンジン回転を使えることから排気量の少ないクルマでは通常のATに比べ加速が良いこともメリットでしょう。
CVTのデメリットは感覚とのずれ
CVTはギア比を最適な状態に保てる反面、運転手の意志・感覚とずれが発生しやすいのが弱点です。
常に最適なギア比に保つために制御をしているので、運転手がアクセルを操作した時にクルマの動きがワンテンポ遅れてしまうんです。
そうした弱点は加速時だけではなく、減速するときにも存在します。
アクセルを踏んでいる時にはエンジン回転数を低くしたほうが燃費が良くなるのですが、アクセルを離したときには多少エンジン回転数を上げてエンジンブレーキを効かせた方が燃費が良くなるのです。
そうするとアクセルを離した瞬間にはエンジンブレーキが効かず、ワンテンポ遅れてエンジンブレーキがかかることに。
そのワンテンポの遅れが違和感に繋がります。
また、緩い下り坂などで速度を微調整したいときにアクセルを踏むとエンジン回転数が下がってエンジンブレーキが弱くなって加速してしまい、アクセルを離すとエンジンブレーキが強くなって減速してしまうので速度を調節しずらいことも。
そうしたちょっとした感覚とのずれがCVT車の運転しにくさへと繋がっているですね。
CVT車を運転するコツとは?
- アクセル操作はスムーズに
- 急加速が必要ならメリハリをつけてしっかり踏み込む
- エンジンブレーキが必要なら一瞬早めにアクセルペダルから足を離す
- ブレーキは徐々に弱めていく
- 必要に応じてSレンジ・BレンジやMTモードを使う
CVT車はその構造上、アクセルを踏んでから加速までワンテンポ遅れる癖があります。
アクセルペダルを踏む速度が速すぎると小さな遅れも運転しにくさに繋がってしまいます。
緩やかな加速が必要なときには丁寧なアクセル操作をすることで感覚と実際の加速のずれを少なくすることができるんですね。
ただ、急加速が必要なときには丁寧に踏んでしまうとCVTの反応の遅れにつながってしまいます。
急加速するときにはしっかりと一気にアクセルを踏むことも大切でしょう。
SレンジやBレンジ・MTモードは事前にエンジン回転数を高くすることができるのでそういった機能も使うとさらに運転しやすくなるかもしれません。
また、CVTは制御上エンジンブレーキが効くまでにワンテンポ遅れる癖があります。
それを考慮してアクセルペダルから足を離すことで無用にブレーキペダルを踏む機会を減らせるでしょう。
CVT車は減速時に常に変速し続けるためエンジンブレーキも変化します。
速度が下がるとエンジンブレーキが強くなっていくので減速時にはブレーキを徐々に弱くすることもCVT車を運転する上で大切です。
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まとめ
CVTは燃費もよくスムーズで加速力にも優れるトランスミッションです。
4速ATなどに比べると発進する瞬間は加速が良くないですが、常に適切なギア比を選ぶことができるので発進以外では実は加速が良いATなんです。
最近は発進時の加速を良くするために工夫されたクルマも多いですから、CVT車の癖をつかむことでスムーズかつ力強い走りを体感できるでしょう。