以前、MT車では停止時はN(ニュートラル)に入れてクラッチペダルから足を離すのが良いという記事を書きました。
ではギアを入れるタイミングはいつが良いのでしょうか?
目標はAT車に遅れない発進
基本的に青信号になったからと言ってすぐに進む義務はありません。
しかし、信号の多い区間では信号ごとに1秒遅れるだけでも最終的には大きな違いになります。
塵も積もれば山となる、ですね。
勿論、自分のことだけを考えれば1秒遅れたところでどうということはないでしょう。
しかし、10台のクルマが1秒ずつ遅れれば10秒です。
そうした細かい積み重ねが渋滞の原因となっていきます。
信号機のタイミングはいろいろな条件で決められていますが、それぞれのドライバーが予定通りに運転しないとそれは全く意味のないものになってしまいます。
日本よりクルマ移動が多いドイツでは青信号に変わる前に黄色信号が点いて予告してくれるのもあって、青信号になったら一斉にスタートします。
これはドイツだけではなくオーストリアでも同じ傾向でした。
青になっても発進しないと日本よりも早い段階でクラクションで急かされます。
ほぼすべてのクルマが青になった瞬間発進して、青になって3秒も止まったままだとクラクション鳴らされるような感じです。(地域によっても違うとは思いますが。)
そのおかげで交通量の多い場所でも日本の道路よりもすごく流れが良い環境でした。
脱線しましたが、全体のことを考えればMT車でもAT車に遅れずに発進できることが大切なことです。
青信号は推測できる
MT車の場合、青信号になってから発進準備をするとギアを入れる手間があるので必ず遅れます。
ですから、運転中は青信号を予測するように心がけましょう。
日本は幸い交差する道路の信号が見えますからそれを使わない手はありません。
ではどのように推測すれば良いのでしょうか?
歩行者用信号を目安にする
これは大抵の道路で使える方法ですね。
歩行者用信号が赤になればこちらの道が青になる、と予測ができます。
ただし、交差する道路に右折信号があったり変則的な変わり方をする道路の場合にはこれは使えません。
交差する道路の信号を目安にする
交差する道路の信号が見えればそちらを目安にするのが最適です。
右折信号があればそれを目安に出来ますし、的確に青信号が予測できます。
前方のクルマのブレーキランプを参考にする
信号が見えない場合というのも多々あります。
前にクルマがいない場合
他の信号が一切参考にならない交差点というのも中には存在します。
そういった時には交差する道路を走るクルマの動きを観察します。
例えば、交差する道路を走ってきたクルマが交差点に差し掛かった時に減速し始めたら信号が赤に変わった、といった具合です。
周りのクルマの挙動も参考になります。
前にクルマが数台居て信号が見えない
そんな時にはブレーキランプを参考にしましょう。
最近のクルマはハイマウントストップランプというリアウインドウに付いているブレーキランプがありますから、2台前のクルマのブレーキランプもガラス越しに見えることがあります。
それを目安に予測ができます。
また、左右にある壁やガラスに反射しているブレーキランプも参考にできます。
場合によっては隣の車線に居るクルマの側面に反射したブレーキランプも参考にすることも。
そうした周りの情報を余さず使うことでMT車でも、もたつかない発進ができます。
停止時にギアを入れる時にはクラッチを切ってから一旦待つのが大切
N(ニュートラル)でクラッチを繋いでいる場合、MTの内部パーツは回転しています。
クラッチを切ってすぐにギアを入れると1速のシンクロを使って回転を止めることになるのでMTの内部パーツが摩耗します。
しかし、Nでクラッチを切って3秒程度待つとMTの内部パーツの回転は止まりますから、それを待ってギアを入れることでシンクロを使わずにギアを入れることができます。
内部パーツの止まり方によっては引っかかって入らない場合があるので、その時には他のギアに入れてからもう一度1速に入れなおします。
どうしても入らなかったらNでクラッチを繋いでからもう一度踏んですぐに1速に入れれば解消する可能性が高いです。
ですが、基本は3秒待ってからギアを入れるようにすると良いでしょう。
ギアを入れるタイミングは周りを良く観察しよう
周りをよく見れば参考になる情報というのはたくさん存在します。
そうした参考になる情報を余さず使うことで街中でもスムーズにMT車を運転することができるのではないでしょうか。
勿論、最初はどこを見れば良いのかわからないと思いますが慣れてくると交差点ごとにどこを見れば良いのか大体わかるようになってくるでしょう。