ギアが入りにくかったり、シフト操作が上手くいかないと2速発進したくなることがありますよね。
2速発進してはいけないと言われる理由
2速発進してはいけないと言われる理由はずばりクラッチに負担がかかるからです。
1速に比べると2速ギアというのは速度が出るギアなので、2速発進をすると1速発進の時よりも長く半クラッチを使わないといけなくなってしまうんですね。
半クラッチ回数の多い街中ではクラッチの温度が上がってクラッチを焼いてしまう可能性が上がりますし、クラッチ板の摩耗も進むのでメンテナンス費用が掛かるようになってしまいます。
トラックやバスは2速発進だけど・・・
乗用車では2速発進はダメですが、バスやトラックは基本的に2速発進します。
トラックの場合には荷物の量やギア比に合わせて基本的に2速以上のギアで発進しますし、軽トラックでも2速発進は荷物を積んでいないときに使われるテクニックです。
これはトラックやバスの設計が乗用車とは違うからです。
基本的に設計として荷物をたくさん積んだ時にも坂道発進ができるように1速ギアが設定されているんですね。
ですから、荷物が軽いときや平地で問題なく発進できる時には2速以上のギアを使って発進します。
つまり、設計的に状況によっては発進に2速以上のギアを使っても問題がないんです。
乗用車は1速発進が基本
乗用車の場合、トラックの1速ギアとは設計の仕方が違います。
乗用車はそれほど重たいものは積みませんから、トラックのように荷物を積んだ時を考慮した1速ギアは必要ありません。
ですから、乗用車の1速ギアは普通に発進するときに使うように設計されているんですね。
トラックやバスが1速発進しないのはなぜ?
勿論、トラックやバスの場合でも常に1速から発進したほうがクラッチの減りは少なくなります。
しかし、1速ギアは普通に使うにはギア比がパワー重視すぎます。
1速から発進すると発進したらすぐにギアチェンジの必要があり、スムーズに運転するのが難しくなってしまうんです。
つまり、1速ギアは実用的ではないんです。
ですから、発進時にはクラッチの摩耗が問題にならないように注意しながら2速以上のギアを使って発進します。
そういった意味では乗用車でも条件によっては2速発進を使うのは間違いではないんです。
2速発進してもダメージは少ない
街中で発進を繰り返す場合や渋滞などでの2速発進はクラッチ焼けが問題になることはありますが、発進回数が少なければすぐトラブルに繋がることはありません。
日常的に2速発進を繰り返すとクラッチの摩耗が多くなるといっても、”あくまで1速発進と比べて”です。
クラッチ焼けに関しても焼ければ匂いなどでわかりますから、2速発進が絶対ダメというわけではありません。
しかし、考えてほしいのはクラッチの交換費用です。
FR車でも5万円以上はかかることが多いですし、軽自動車などの場合にはエンジンを下ろさないとクラッチが交換できないことが多く10万円以上かかることも。
クラッチの摩耗というのは実際に交換してみないとわからない部分ですし、減ってしまったものは戻すことができませんからそうした費用のことを考えれば出来るだけ減らさないように乗ることが大切、というわけです。
そうした理由もあり、2速発進はダメと言われるんですね。
2速へのシフトアップが苦手なら
2速へのシフトアップが苦手なら何が問題なのか認識することが大切です。
原因さえわかれば対処ができます。
たとえば、1速でアクセルを離したときにガクンとしてしまうのであれば1速で動き始めたらすぐに2速に入れてしまったり、2速に入れた後クラッチペダルから足を離したときにガクンとしてしまうならエンジン回転を合わせるためにアクセルペダルを早めに踏んだりなど工夫できるからです。
基本的にギアチェンジのコツはエンジン回転の合わせ方やアクセルペダルとクラッチペダルの合わせ方ですから、その辺を意識してみると良いでしょう。
一筋縄ではいきませんが、慣れれば1速発進でもAT車と遜色なく加速できるはずです。
ギアチェンジのコツについてはこちらの記事がオススメです。
2速発進しても良い場面もある
基本的に乗用車では良くない2速発進ですが、2速発進をしても良い場面というのも存在します。
下り坂で発進する場合と、路面が雪で滑りやすくなっている場合です。
下り坂ではブレーキを離すと重力で自然と加速していくので2速発進をしてもクラッチの摩耗は抑えられます。
雪道では1速発進だとパワーがありすぎて滑ってしまう時に2速発進を使うと安定した発進ができるといったメリットも。
そういった条件では2速発進も良い選択肢になるでしょう。
2速発進してはいけない理由まとめ
- 乗用車は1速ギアで発進するように設計されている
- 2速発進がダメな理由はクラッチへの負担が原因
- クラッチの負担が少ない条件や滑りやすい路面では2速発進が良いこともある
- シフトアップが上手くいかないときにはシフト操作を工夫する