
トランスミッションも慣らし運転が大切。
今回はMTの慣らし方法についてです。
今回紹介する慣らし方法
今回紹介するのはホットバージョン Vol.13で紹介されていたMTの慣らし方法です。
日産自動車に慣らし運転に関して問い合わせた際に、エンジンの慣らし方法と一緒に回答があったもののようです。
MTの慣らし方法
これは至って簡単で、走行前にエンジンをかけた状態でクラッチペダルを踏んだまま100回程ギアチェンジを繰り返すだけです。
ホットバージョンの中ではシンクロに当たりが付いてシフトがしやすくなるという解説も。
エンジンをかけたまま行うのは一度ミッションオイルをシンクロに馴染ませるのと、クラッチの切れを良くするが目的だと思います。
勿論エンジンの慣らしもあるので新車であれば走行時にもいきなり全開ではなく、1000キロまではエンジン回転やアクセル踏み込み量を抑えた状態で走行する必要があります。
慣らしのコツ
エンジンをかけたら一度Nでクラッチを繋ぐ
エンジンをかけた後にクラッチペダルを踏んだままだとトランスミッションオイルが内部で循環していません。
シンクロのオイルが完全になくなった状態では変な癖がついてしまう可能性があります。
必ず、一度Nでオイルを回してから慣らしを行いましょう。
ギアの入り口で丁寧に
ギアの入り口(=シンクロが効き始めるところ)で丁寧に動かすように心がけてください。
具体的にはシンクロが効き始める部分で徐々に力をかけるようなイメージです。
できるだけ軽い力でギアの入り口に当ててから少しずつ力を強くすると良いでしょう。
長い時間クラッチペダルを踏んだままにしない
長時間クラッチペダルを踏んだままにしてしまうとクラッチ関係のレリーズベアリングというパーツが傷みます。
走行前であればそれほど温度は上がっていませんし、信号待ちレベルであればそれほど問題はないかと思いますが、長時間かけてこの慣らし動作をするのであれば一度Nでクラッチペダルから足を離してレリーズベアリングを冷やしてあげるのも大切です。
動きが渋くなったらNでクラッチを繋ぐ
動きが渋くなってきたときはシンクロのオイルが押し出された証拠です。
明確に動きが渋くなってきたら一度Nでクラッチペダルから足を離してオイルを循環させてあげましょう。
慣らしの効果
私は自分のコペンでこの方法を試しました。
ただ、新車の時ではなく5000km走ったあとに行ったのですが。
効果は劇的でした。
慣らしを行った後はシフトするときの感触が今までないようなスムーズなものとなり、元々は1速から2速ギアにシフトアップするときにゴリゴリとした感触があったのがかなり解消されています。
新車はこの慣らしをしたほうが良い理由
特別なことをしなくても走っていれば慣らしになるだろうと思う方もいると思います。
私もそうでした。
ところが走りながらだと新車時の癖がそのままになってしまって、改善するどころか悪化していってしまうんです。
ミッションフィーリングの違いはパーツのなじみ方の問題
これはネット上にある話ですが、自動車に関しての掲示板でギアが入りにくくてトランスミッションを交換してもらっても症状が再発してギアが入りにくくなってしまったり、元々はギアの入りが良かったのに何かの理由でMTを載せ替えたらギアの入りが悪くなることがあります。
このあたりはMTのなじみ方が上手くいかなかったことが原因でしょう。
基本的になじみ方が上手くいっていないトランスミッションの場合、変な癖がついているのでシフト操作の方法を変えない限りは良くなることはありません。
MTってめちゃくちゃ繊細なんですよね。
新車じゃなくても効果あり
私のコペンがそうだったように、新車から距離を走った車でもMTに変な癖がついている場合にはこの慣らしは効果があります。
シフトチェンジの時に引っかかりがあったり、ギア同士が当たる感触があったりするなら新車ではなくても今回の慣らしをしてみるのが良いと思います。
特に入りにくいギアがあるのであれば、そのギアとNを行ったり来たりさせるのも良いとおもいます。
シフト操作も見直してみるべき
シフト操作自体もシンクロの癖の原因になります。
シフト操作で大切なのは次のギアの入り口に軽く当ててから少しずつ力を入れてギアを入れるようにすることです。
これをすることでギアの入りが悪いクルマでもかなりギアが入りやすくなります。
普段のギアチェンジでこれをやっていれば素早いギアチェンジをしてもギアが入りやすくなるのでオススメです。
慣らしをすればシフトフィールが変わる
今回の慣らし操作はMT車には必須のことだと感じます。
特に今のクルマのシンクロはとても強く、逆に燃費のためにトランスミッションオイルは柔らかくなっていますからちょっとした癖が大きな問題になりがちです。
シフトフィールの問題だけならまだしも、ギアチェンジの時にゴリゴリしたフィーリングがあるときにはギアを傷める原因にもなります。
また、癖がついてシフトがスムーズではない場合にはシフトミスの原因になったり、強引なシフト操作によって傷める原因にも。
この慣らし動作をしたことがないクルマであれば、一度この慣らしをしてみたほうが良いと思います。