以前の記事でブレーキペダルはかかとをつけて操作するべきという記事を書きましたが、実はマニュアル車ではかかとを浮かせたほうが良い理由もあるんです。
ヒール&トウをしたいならかかとは浮かせるべし
ヒール&トウはブレーキを使った減速中に安定したシフトダウンを行うためのテクニックです。
つま先でブレーキペダルを踏みながら、かかとでアクセルペダルを踏むことでシフトダウン時のエンジン回転数の差を合わせてあげるテクニックなんですね。
シフトダウンが必要なスポーツ走行をするときには必須のテクニックですし、普通に走るときにヒール&トウはなくても困りませんが一般道でも使えると便利なテクニックではあります。
そんなヒール&トウですが、普段の運転でかかとを床につけてブレーキペダルを踏むようにしていると不都合があるんです。
MT車でかかとを浮かせるべき理由
ヒール&トウの際にはつま先でブレーキペダル、かかとでアクセルペダルを操作します。
つまり、ヒール&トウをしている時にはかかとを浮かせた状態でペダル操作が必要になるんです。
実際のところ、普段の運転でかかとを床に付けたままブレーキペダルを踏んでいてもヒール&トウ自体はできるようになります。
ただ、それはあくまでブレーキペダルを一定で踏んだ状態の時です。
普段の運転でかかとをつけて運転していると、ヒール&トウをしながらブレーキペダルの踏み込み量を変化させる時に少し難しくなってしまうんです。
ブレーキのかけ方の違いがカギ
かかとを床に付けた状態
かかとを床に付けた状態の場合、ブレーキペダルを操作するときの支点はかかとになります。
つまり、かかとの位置に対してどれだけつま先の位置が変わったかによってブレーキ操作の量を決めているんです。
ヒール&トウではかかとでアクセルペダルを操作するのでかかとの位置が変わります。
この方法でブレーキペダルを踏んでいると、ヒール&トウをする時にブレーキペダルの踏み込み量が安定しなかったりブレーキを強くしたいときに上手くいかないことがあるんです。
かかとを床に付けない状態
かかとを床に付けない状態でブレーキペダルを操作した場合、ブレーキペダルを操作するときには足全体を動かしてペダルを押すような形か、かかとを浮かせたままつま先を動かしてブレーキペダルを操作することになります。
どちらもブレーキペダルを操作している時には今の足の位置に対してどれくらいつま先が動いたかが基準になります。
実はこれはヒール&トウをしている時に近い状態なんです。
ヒール&トウをしている時にはブレーキペダルを操作するときの基準はつま先の位置の変化になるんですね。
ですから、ヒール&トウをしている時にブレーキを強くしたくなった時にも普段通りつま先の位置を動かせば良いので操作が安定しやすいんです。
ヒール&トウをしている時だけ変えるのは難しい
普段はかかとを床に付けて安定した操作をして、ヒール&トウをしている時は操作方法を変えるという選択も勿論あります。
一定速度で減速している時にはつま先の位置を一定の位置にしておけばブレーキ操作が安定するので大丈夫なのですが、その状態からブレーキの強さを変えようとすると普段とは操作の仕方が違うので上手く操作ができません。
どうしても操作が荒くなってしまったり、強く減速している時には操作が間に合わなくて危ない場合もあります。
普段から操作方法をヒール&トウをしている時に近づけておいたほうがメリットが多いんですね。
かかとを支点にしないブレーキ操作のコツ
かかとを完全に浮かせる必要はなし
”かかとを浮かせる”というと床からかかとを完全に離して空中に浮かせて操作するように感じるかもしれません。
しかし、操作するときの基準をかかと以外にすることが目的なので完全に浮かせる必要はありません。
完全にかかとを浮かせながらブレーキペダルを操作するのは疲れますし、脚を筋力で支えなくてはいけないので不安定だからです。
かかとを床に軽く擦るようなペダルの踏み方で大丈夫ですから、あくまで意識としてかかとを支点にしないというのが大切なんです。
微調整は足首を使う
かかとを浮かせてペダル操作をするというと足全体でペダルを奥に押し込むような操作になります。
しかし、実際のところそういう操作の仕方は街中では安定したペダル操作がとても難しいです。
ブレーキペダルを深く踏むときには足で押し込むような踏み方をして、街中で微調整するときには足首を使って足の角度変化させるような踏み方が良いでしょう。
踏みかえの支点はかかと
ブレーキペダルを操作するときにはかかとを支点にしないほうが良いのですが、ペダルを踏みかえる時にはかかとを支点につま先を動かしたほうが素早く的確に踏みかえることができます。
つまり、かかとの左右位置は変えずにつま先の位置を左右に動かして踏みかえるような感じです。
アクセルペダルを操作している時にはかかとを床に付けていないとペダル操作が安定しませんが、ここでも大切なのはかかとを基準にペダル操作をしないことです。
本当に曖昧な表現になりますが、つま先の位置を意識して足首の角度でペダル操作をするようにしましょう。
ヒール&トウの主役はブレーキ
ヒール&トウというとエンジン回転数を合わせるところばかり注目されがちです。
しかし、減速を中断せずにスムーズなシフトダウンをするのが目的ですから主役は減速です。
的確な減速ができないと危険ですからまずはブレーキ操作を意識することが大切です。
基本はかかとをつけたペダル操作
今回はMT車でヒール&トウをしたい場合にはかかとをつけないブレーキペダル操作が良いというお話でした。
しかし、AT車であったりヒール&トウをする予定がない場合には足の位置を安定させるためにかかとを支点に操作するのが最善です。
急ブレーキの時にはかかとをつけずに一気に足全体でペダルを押し込むことが大切ですが、普段の運転では踏み間違いをしないように安定した細かい操作が重要だからです。
かかとを浮かせるのはあくまでヒール&トウを前提とした操作だと考えましょう。
ヒール&トウをしない場合にかかとをつけてブレーキペダルを踏んだほうが良い理由についてはこちらの記事がオススメです。
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