ギアが入りにくいときにはエンジンの振動が原因かも

マニュアル車の発進時や加速時の振動は不快なものですが、実はギアの入りやすさにも悪影響があるんです。

エンジンの振動が多いとギアが入りにくくなる

MT車のギアチェンジではシンクロナイザーリングがあることでギアを切り替えることができます。

シンクロナイザーリングは摩擦によってギア同士の回転数を合わせているのですが、シンクロナイザーリングは固定されていないので多少ガタつきがあります。

通常の走行時にはトランスミッションオイルが間に入って浮いているので摩耗が問題になることはありません。

しかし、エンジンというのは発進や加速時に酷く振動することがあります。

実はエンジンからの振動はそのままMTへと伝わり、シンクロナイザーリングをガタつかせる原因になるんです。

それによってシンクロナイザーリングの摩耗が進んだり、変な癖がついてしまうこともあります。

結果的にシンクロが摩耗しすぎてしまったり、シンクロがそれほど摩耗してなくても効き方のバランスが崩れてギア鳴きやゴリゴリ感の原因になります。

ギア鳴きやゴリゴリ感までは行かなくても、ギアが入るときにコツコツと嫌な感触がシフトノブから伝わることにつながったりもします。

 

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エンジンの振動が出る状況

発進時の振動

発進時には半クラッチ状態にするとエンジンの振動やクラッチの摩擦によってクルマ全体がガタガタと振動することがあります。

振動自体はそこまで大きくなくても、クラッチのつなぎ方が雑だったりクラッチペダルを素早く戻しすぎてしまったりしているとMTに伝わる振動が大きくなっていることもあります。

発進するときにかかる時間自体は短時間なのですが、日本の街乗りのようにゼロ発進が多い環境ではその影響はとても大きいんです。

発進時にはできるだけ振動を減らしつつも半クラッチの時間が伸びすぎないようにバランスを取るのが大切です。

 

走行中の振動

発進時の振動だけではなく、走行中の振動はシンクロの摩耗の原因です。

走行中の振動は上のギアほど大きくなりますから、速度が上がるほど摩耗も進みやすくなります。

長距離を走るときには高速などで速度を上げて走ることが多いですから、シンクロの摩耗も進みやすくなるので高速走行時にもエンジンの振動に気を付けるのが大切です。

 

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振動を減らす運転

発進時

発進時にはクラッチ板の摩耗を減らすためにある程度クラッチペダルをスパッと一気に戻してくるのが大切です。

しかし、その際にショックや振動が出てしまう状況というのは避けるべきです。

身体で感じるようなショックや振動は絶対にダメですし、エンジンが苦しい音を立てて頑張っている状況というのもあまりよくありません。

ですから、半クラッチの時には走り始めで無理やりクラッチペダルを戻そうとせず、丁寧に動かしてショックなくスムーズにタイヤに力を伝えていくことも大切です。

そのバランスが難しいところで、慣れないと緩い半クラッチが長すぎてクラッチジャダーやクラッチ焼けの原因になることもありますし、逆に半クラッチが強すぎ(クラッチペダルを戻しすぎ)てギアが入りにくなってしまったりします。

 

具体的なコツ

発進時には半クラッチの度合いによってクックックッという振動や車体がが多々ガタと揺れる領域があります。

アクセルペダルの踏み込み量に対してクラッチペダルを戻しすぎる(半クラッチが強すぎる)とエンジンの爆発による振動が原因でそうした振動が出てしまうんですね。

クックックッという振動がでているならもう少し緩い半クラッチを使ってクラッチ板を適切に滑らせて発進するか、もう少しエンジン回転数を上げて発進するのが大切です。

微妙な違いでかなり注意しないと気づかない程度の振動の変化だったりするのですが、発進加速が多い状況ではシフト操作のフィーリングなどにかなり影響がでます。

ちなみに低めのエンジン回転数で発進していると振動をほとんど感じなくてもギアの入りが悪くなっていくことがあります。

コペンなど軽自動車の場合には2000回転以下で発進させているとギアの入りが悪くなっていきます。

とはいえ、半クラッチが長すぎるとクラッチ焼けの原因になるのでそこには注意が必要です。

発進時には半クラッチが多すぎても少なすぎてもだめで、振動が出ない範囲で低すぎないエンジン回転数を選びつつスパッとクラッチを繋ぐのが大切なんですね。

とはいえ、振動を減らした半クラッチ操作をすると思ったよりもすごく半クラッチが長くなってしまうと思います。

エンジンが大きかったり乗りやすく作られているクルマでは短めの半クラッチでも振動なく発進できますがそれでもそれなりに長くなりますし、軽自動車だったり走りを重視しているクルマだと特に長め半クラッチで発進することが必要なんですね。

 

加速時

ギアチェンジの時には次のギアでエンジンが頑張っているグググっという音・振動が出ないタイミングでギアチェンジをするのが大切です。

燃費などを考えるとある程度早めにギアチェンジをするのも大切なのですが、早めのギアチェンジをするとその分だけ低いエンジン回転数で加速していくことになってしまいます。

エンジン回転数が低い状態ではエンジンの振動も多くなり、加速が強ければ強いほど振動がさらに強くなっていくんです。

ですから、加速時には加速の強さに合わせてエンジン回転数を選ぶのが大切です。

 

具体的なコツ

基本的に強い加速ほどギアチェンジのタイミングは遅くして、エンジン回転数の高い部分を使うのが大切です。

とはいえ、レースなどではない限りタコメーター(エンジン回転計)のレッドゾーン(タコメーターの赤い部分)まで使う必要はなく、エンジン回転数がある程度高ければ問題はありません。

具体的なエンジン回転数というのはクルマによって変わってきます。

最近のクルマは低いエンジン回転数から十分なパワーが出るような設計になっているので低めのエンジン回転数でも問題にならない可能性が高いですし、軽自動車のようなクルマの場合にはある程度高めのエンジン回転数で加速していくことになります。

見分けるポイントとしては音や振動で、発進のところでも説明したグググっという音や振動が出ないようなエンジン回転数を使うのが大切です。

振動が気づかないレベルでもトランスミッションの設計によっては影響が出ることもあるので基本的にはグググっという音が出る領域は避けたほうが良いでしょう。

 

一定速度での走行時

加速時に比べるとアクセルの踏み込み量が少なくなっているので低めのエンジン回転数でも大丈夫です。

ただし、注意すべきなのは一定速度で走っている時には長い距離走ることが多いということです。

長い距離を走るので弱めの振動でも影響が大きくなってしまうんですね。

最悪ギアが入らなくなったり、シンクロが摩耗しきってしまってギアチェンジに影響が出ることもあるので注意が必要です。

 

具体的なコツ

加速さえしなければそれほど大きな振動にはなりませんし、自動車メーカーもある程度は想定している部分ではあるので明確に振動していなければそれほど気にしなくても大丈夫です。

もし今使っているクルマを長く使う予定があるのなら、エンジンが頑張っているグググっという音が出ない領域で走るように心がけたほうが良いでしょう。

また、坂道などでは適切にシフトダウンしてエンジンに無理をさせないことも大切です。

上のギアほど振動の影響が大きくなるので、高速道路を走っている時にも注意しましょう。

 

軽量フライホイールは要注意

エンジンに取り付けられているフライホイールを軽くするとアクセルペダルに対しての反応が良くなります。

しかし、実はその代わりにエンジンの振動も出やすくなってしまうんです。

エンジンの振動というのは細かい回転数の変化なので、軽いフライホイールだとエンジン回転数が細かく変化しやすくなってしまうんですね。

ですから、軽量フライホイールなどを入れている車両では発進時の振動や走行時の振動に特に注意することが大切です。

振動するエンジン回転数を避け、発進時にもエンジンがスムーズに回転できる回転数を選んで発進することが重要です。

シンクロの構造によってはギアが入らなくなってしまうこともあるので注意しましょう。

 

まとめ

  • エンジンの振動はギアが入りにくくなる原因
  • エンジンの振動はシンクロの摩耗にも影響がある
  • 発進時には振動がでないように半クラッチをする
  • 低すぎるエンジン回転数で無理やり発進させないようにする
  • フライホイールを軽くしたらエンジン回転数を高くして振動を減らすようにする

 

 

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