オートマチック車のマニュアルモードはとても便利なものですが、使う時の注意点はあるのでしょうか?
マニュアルモードを使う時に注意すべきことはある?
AT車のMTモードはコンピュータ制御されているので間違ってクルマを壊してしまうようなことはありません。
例えば、高速走行中に1速ギアに入れようとしてもコンピュータが拒否するので何も起こらないんですね。
とはいえ、使っている上で注意すべき点というのは存在します。
AT車に付いているMTモードではシフト操作をするスイッチがあるだけなので走行中にギアがどこに入っているのかわからなくなることが度々存在します。
メーター内部にはギアが表示されていますが、運転中にギアの位置を頻繁に確認するのは案外難しいものです。
空いている道ならまだしも、混雑していたり周りにクルマが居ればメーターを見る時間というのはどうしても限られてきてしまうからです。
そうすると走行中に思っていたギアと違うギアに入っていることがあり、加速をしたいときにパワーが足りなくて加速が遅れてしまったり間違ってシフトダウンしすぎてしまうことなんかもあります。
さらに、AT車のMTモードでは減速していくと自動的にシフトダウンしていくプログラムが組まれているので、減速していると余計にギアがわからなくなってしまうんですね。
レースのような走り方をしたり高いエンジン回転数を維持して走行している時には問題にならないことですが、街中を普通に走っている時に一番問題になりやすいのがこれなんです。
また、MTモードとDレンジ(自動モード)を使い分けている人はDレンジの時に間違えてシフトノブを動かしてしまうことがあるので注意が必要です。
MTモードを使う時の注意点
- 間違えて1速ギアに入れないように注意する
- 勘違いしてDレンジでシフトノブを動かさないように注意する
- 加速する前にギアを確認するようにする
- MTモードに入れていることを忘れないようにする
- 低すぎる/高すぎるエンジン回転数で走らないように注意する
- 車種によってシフトアップ・シフトダウンの方向が違うので注意する
間違えて1速ギアに入れないように注意する
1速ギアはエンジンブレーキが極端に強くなってしまいます。
例えば減速時にエンジンブレーキを効かせるために2速ギアに入れたつもりが1速ギアに入ってしまって急激なエンジンブレーキがかかってしまったり、加速したくて2速ギアに落としたつもりが1速ギアに入ってしまったような場合にもエンジンブレーキがかかってしまうことがあるので注意が必要です。
最近のクルマはエンジン回転数を自動的に合わせてくれるので危険なほどのエンジンブレーキがかかることはありませんが、それでもエンジンブレーキが強くなってしまうことには変わりないので注意してください。
後ろにクルマが居る時には追突事故などの危険性もあります。
もしもエンジンブレーキを使おうとしている時に間違えて1速ギアに入ってしまったと感じたら焦らず2速ギアに入れるのが良いでしょう。
加速時に1速ギアに入れてしまった時にはエンジンブレーキがかからなかったのであればそのまま1速ギアで加速していくのも良いと思います。
エンジンブレーキがかかってしまったらアクセルペダルをもう少し踏んで加速状態にしてから2速ギアに入れたほうが安心できると思います。
ギアチェンジ中には加速が遅くなることがあるからです。
どちらにしても焦らずに状況をみて、2速ギアに入れなおすかそのままの状態にするか判断するようにしましょう。
勘違いしてDレンジでシフトノブを動かさないように注意する
パドルシフトを使っている場合には問題ありませんが、シフトノブを操作してギアチェンジしている時にはDレンジでシフトノブを動かさないように注意しましょう。
MTモードとDレンジを使い分けている場合にはDレンジに入れていることを忘れてシフトノブを動かしてしまうことがあるんです。
MTモードで前に倒すとシフトダウンをするクルマの場合にはシフトダウンして加速しようとするタイミングで間違えてNレンジに入ってしまうことになりますし、前に倒すとシフトアップするクルマの場合には加速中にNレンジに入れてしまうことになるので大変危険です。
また、Nレンジに入ってしまったことで慌ててDレンジに入れてしまうとアクセルペダルを踏んだままDレンジに入れることになりAT本体にも悪影響がでてしまいます。
加速中にNレンジに入れてしまった時には余裕があればアクセルペダルから足を離してDレンジに入れなおすようにしてください。
もし減速中であればそのままDレンジに戻せば後はコンピュータが何とかしてくれます。
アクセルを踏んだ状態でDレンジに入れないようにすることが大切です。
加速する前にギアを確認するようにする
MTモードの場合、アクセルペダルを踏み込んでも自動的にシフトダウンはしてくれません。
つまり、加速が必要なときにアクセルペダルを踏みこんでも思ったように加速してくれないことがあるんです。
普通の加速ではそこまで危険を感じることはありませんが、合流車線を走っている時には事故にも繋がることから注意が必要です。
加速が必要な場面では事前にギアを確認して、出来ればシフトダウンしてパワーに余裕のあるエンジン回転数にしておくことが大切です。
また、少し減速した後に加速するような場面では加速時にエンジン回転数が低くなってしまい、低いエンジン回転数から無理やり加速させることにつながってしまいます。
クルマにも良くない行為なのでできれば適切にシフトダウンするように心がけましょう。
MTモードに入れていることを忘れないようにする
AT車ではMTモードに入れていることを忘れてしまう瞬間が存在します。
通常、MTモードだとレッドゾーン以外で自動的にシフトアップすることはありません。
そんな状態でMTモードに入っていることを忘れてしまうと、エンジン回転数が高い状態で走行を続けてしまうことになります。
エンジン回転数がかなり高くなれば音で気づきますが、最近のクルマは静粛性も高くなっているので回転数が多少上がったくらいでは気づきません。
とはいえ、レッドゾーン付近で走り続けなければ問題はないのでそこまで注意する必要もないでしょう。
車種によってシフトアップ・シフトダウンの方向が違うので注意する
MTモードは車種によって操作方法が若干異なることがあります。
シフトノブでシフト操作ができるものとできないものがあり、シフト操作ができるものでも押してシフトアップするタイプと押してシフトダウンするタイプが存在します。
また、パドルシフトでも大抵のクルマで右がシフトアップで左がシフトダウンですが、稀に押してシフトアップして引いてシフトダウンするタイプや、押してシフトダウンして引いてシフトアップするタイプなどの変則的なパターンもあります。
大抵の場合、すぐ慣れますがふとした瞬間に間違えることもあるので注意しましょう。
クルマが保護してくれるけれども
AT車のMTモードではクルマを壊すようなギアチェンジはできないようにコンピュータ制御されています。
しかし、AT本体の耐久性を縮めてしまう操作というのはできてしまうので注意が必要です。
例えば、ギアチェンジを短時間の間にたくさん繰り返すとAT内部の温度が上がってしまったりして確実にAT本体の寿命にはかかわってきます。
とはいえ、すぐに壊れるわけではなく壊れない可能性も十分にありますから頭の片隅に入れておけば大丈夫でしょう。
MTモードで注意するべきことまとめ
- ギアを間違えないように注意する
- MTモードに入っていることを忘れないようにする
- Dレンジで間違えてNレンジに入れてしまうことがあるので注意する
- 短時間にたくさんギアチェンジをしすぎるとAT本体の耐久性に影響が出ることがあるので注意する