マニュアル車でギアチェンジに失敗してシフトショックを出してしまうとクルマに影響はあるのでしょうか?
シフトショックはクルマに悪いけれど
シフトショックというのは確実にクルマに悪影響があります。
ショックというのはクルマに伝わる衝撃なので、クルマに付いている様々なパーツに悪影響があるんですね。
そういった理由もあるので、必要ないときにはシフトショックというのはできるだけ減らすべきです。
とはいえ、素早い加速をする時に素早いギアチェンジをするとシフトショックというのは発生するものです。
素早いギアチェンジをした時にドカンという衝撃が発生するのはちょっとまずいですが、多少のシフトショックが発生することは仕方ない部分もあるんですね。
シフトショックはないほうがクルマに優しいのは間違いありませんが、ドカンという音がしないレベルでのシフトショックであればそれほど心配するものではありません。
シフトショックによる影響
クルマのエンジンより後ろの部分はタイヤを駆動するための部分なので駆動系と呼ばれます。
クラッチやトランスミッションなども駆動系に含まれます。
MT車のシフトショックというのは主にクラッチが繋がった時に発生します。
エンジン側とタイヤ側の回転数の差があることが原因です。
エンジン側とタイヤ側で回転差があるということはつまり、シフトショックが発生した時にはエンジンとタイヤによって駆動系のパーツがねじられる力が働くんです。
シフトショックはクラッチ板そのものにも負担がかかりますしMT内部のギアに対しても負担がかかります。
そうするとクラッチ板に付いている衝撃を吸収するバネが壊れたり、ギアそのものが壊れて走行不能になることも。
また、タイヤに動力を伝えてるシャフト類にも負担がかかり破断するリスクが高くなってしまいます。
どれくらいのシフトショックなら問題ない?
基本的にドンという音が出ないレベルのシフトショックであればさほど気にする必要はありません。
勿論、出さないに越したことはありませんがそこまで神経質になる必要もないでしょう。
また、ドンという音が出るようなシフトショックを出してしまったとしても一度や二度では問題になることはありません。
問題になるのは日常的にそういったシフトショックを出してしまっている場合です。
そうした衝撃による負担はどんどん蓄積されていき、クルマにダメージを与えていきます。
そしてある時、故障につながるんです。
とまぁちょっと怖いことを言いましたが、サーキットなどに行かない限りはそこまで気にしなくても大丈夫です。
普段の運転でできるだけスムーズにショックが少なくなるように運転していれば問題はないでしょう。
ただし、ドンという衝撃音ではなくバキという乾いた衝撃音がするようなギアチェンジは絶対に避けましょう。
シフトショックを出してしまった時は?
ギアチェンジの時に酷いシフトショックを出してしまった時でも基本的にはそこまで気にしなくて大丈夫です。
ただし、シフトショックを出した後に大きな異音がするようになったり、ギアが入らなくなったりしたときには一度点検してもらうようにしたほうが良いでしょう。
シフトショックを出さないコツ
発進時の半クラッチを見直す
運転の仕方によってクラッチの状態が変化してシフトショックが出やすくなることがあります。
クラッチの状態が変化すると急激にガツンと繋がりやすくなってシフトショックが出やすくなったり、逆にスムーズに繋がりやすくなってシフトショックが出にくくなったりもします。
クラッチの状態に影響が一番大きいのは発進時のクラッチ操作です。
発進時にクラッチを無理やり繋ぐような運転の仕方をしているとクラッチがガツンとつながりやすくなってシフトショックも出やすくなってしまうんです。
基本的に発進時にはエンジンのパワーがクラッチの摩擦力に負けないように丁寧に繋ぐとシフトショックが出にくくなります。
エンジンのパワーがクラッチの摩擦力に負けている状態だとクラッチが完全に繋がるまでエンジン回転数が下がり続けます。
逆にエンジンパワーがクラッチの摩擦力と上手くバランスしていると、エンジン回転数がある一定の回転数で安定した状態となって加速していきます。
イメージとしてはエンジン回転数に対してクルマの速度のほうが追いつくようなイメージです。
エンジンパワーがクラッチの摩擦力に負けないように半クラッチをしているとクラッチが扱いやすくなり、シフトショックだけではなく発進もしやすくなるのでオススメです。
私の経験としてはシフトショックが出やすいのはクラッチの状態による影響が非常に大きく、純正クラッチを使っていてクラッチの状態が良ければギアチェンジの時に一気にクラッチを繋いでもシフトショックはほぼ出ません。
エンジン回転数を合わせる
MT車のギアチェンジではエンジン回転数を合わせることがとても大切です。
エンジン回転数を合わせていればギアチェンジの時には半クラッチを使わなくてもシフトショックは起きません。
エンジン回転数を合わせるためにはギアチェンジの時に次のギアではどれくらいのエンジン回転数になるかある程度予想することになります。
これは経験が大切で、ギアチェンジした時に次のギアではどれくらいのエンジン回転数になっているのかを常に意識しておくようにします。
特にシフトダウンするときにはアクセルペダルを使ってエンジン回転数を合わせてあげるとかなりスムーズなギアチェンジができるようになります。
シフトダウンの時には次のギアに入れた後、エンジン回転数を高くする必要があります。
次のギアに入れた後、半クラッチを使うと次のギアに合わせてエンジン回転数が高くなりますが必ずシフトショックが起きてしまうんです。
そんな時にアクセルペダルを使って次のギアに合わせたエンジン回転数にしてあげるとシフトショックが起きにくくなります。
また、シフトアップの時には次のギアに入れるとエンジン回転数が低くなりますが、エンジン回転数が低くなりすぎないように注意してください。
エンジン回転数が高すぎる状態であれば半クラッチを使わなくてもほとんどシフトショックは起きませんが、エンジン回転数が下がりすぎて低くなりすぎた時にはシフトダウンと同じようにシフトショックが起きやすくなってしまいます。
エンジン回転数が低くなりすぎてしまった時にはアクセルペダルを少し早めに踏むようにしたり、一瞬だけ強めにアクセルペダルを踏み込んでエンジン回転数を合わせながらクラッチを繋ぐとショックが少なくなります。
場合によってはシフトアップの時にアクセルペダルを離すタイミングを少しだけ遅くしてエンジン回転数が落ち始めるタイミングを遅らせたりするのも一つの手段です。
その時にはクラッチペダルを踏み込んだ時にエンジン回転数が高くならないように注意しましょう。
シフトショックを減らすにはエンジン回転数を意識することが大切
MT車のギアチェンジではとにかくエンジン回転数が一番大切です。
エンジン回転数さえ合っていればどんなに雑にクラッチペダルを操作してもシフトショックは発生しないからです。
また、エンジン回転数を合わせてシフトアップをするとクラッチ板の減りというのも減らすことができます。
エンジン回転数を意識してギアチェンジしているとヒール&トウをしたりする時にも役に立ちますし、どのギアまでならレッドゾーンに入らずにシフトダウンできるのかを予想するのも簡単になります。
慣れるとタコメーター(エンジン回転計)を見なくても次のギアのエンジン回転数がわかるようになるでしょう。
そうするとMT車の運転はスムーズになりますし、神経質にならなくて済むので運転も楽になります。
究極はAT車のようにショックの少ない運転だってできるんです。
常にショックの度合いを意識して、エンジン回転数がしっかりあっているのか意識しながら走るとMT車の運転も上達するでしょう。