日産e-ペダルへの懸念。踏み間違い事故予防につながるのか?

日産リーフなどに使われているe-ペダル。

今回はその懸念事項について書いていきたいと思います。

※画像はe-pedal搭載車ではありません

e-ペダルとは?

ワンペダルドライブとも呼ばれる機能でアクセルを離すだけで強めの減速ができる機能です。

これだけ聞くとエンジンブレーキと同じように聞こえるかもしれませんが、この機能の特徴は停止まで可能なことです。

その為、ブレーキへの踏みかえ回数が減り踏み間違い事故予防やドライバーの疲労軽減に役立つといわれています。

こういった機能は日産だけではなくBMWやテスラなど他の電気自動車でも使われています。

日産車だけの懸念事項というわけではないのでこの記事ではe-ペダルではなくワンペダルドライブという呼び方を使います。

 

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ワンペダルドライブは踏み間違い事故予防につながるのか?

踏み間違い事故とはアクセルとブレーキを踏み間違えることで起きる事故です。

ワンペダルドライブではアクセルを離すことで減速ができるため、踏み間違え事故の危険性が減るのではないかと言われている機能でもあります。

実際のところ日常で使う分には踏みかえの回数が減る分そういった危険性自体は減るのではないかと私は考えます。

新しい機能で危険という意見もありますが、強いエンジンブレーキと同じなので慣れの問題でしょう。

では踏み間違い事故の予防につながるのかといえば私としてはその答えは”NO”だと感じます。

これには理由があります。

確かに日常の踏みかえにおいて踏み間違いというのは減るでしょう。

ワンペダルドライブでは停止まで行える為日常的にはブレーキペダルを踏む必要性が低く、ブレーキを一切踏まずに運転することも可能となります。

しかし、実はブレーキを踏むということはその時の姿勢でブレーキペダルの位置を覚えさせることでもあります。

運転時に全く同じ姿勢でずっと運転する人はいないでしょう。

姿勢の違いが原因でブレーキを踏むという行為をしない状態では基本的にブレーキペダルに対する感覚というのは失われています。

では急ブレーキを必要とするときに一切ブレーキを踏まずに長時間運転した人がいきなりブレーキの位置を間違えずに強く踏むことができるのでしょうか?

実は車庫入れ時に踏み間違いが起きる理由も姿勢によるものです。

運転姿勢を崩して身体を捻って後ろを確認している際にアクセルからブレーキへ踏みかえようとしてブレーキペダルの位置感覚が失われていたことから踏み間違いを起こすのです。

ワンペダルドライブでは停止時はブレーキペダルを踏んでいなくても停止保持ができてしまいますから、足の裏をペダルではなく床につけて待っている人もいるのではないでしょうか?

一度でもペダルから足を離せば体の位置が変わりペダルの位置感覚もずれてしまいます。

そういった状況でブレーキを急に踏もうとしても踏むことができない可能性が出てきます。

その為、私の考えとしては一定の効果を認めつつも予防策としてはあまり高くないと感じます。

 

ワンペダルドライブの安全性向上策

できれば日常からブレーキを踏む必要を感じさせる制御が必要になるでしょう。

例えば低速になったら減速Gが減るような制御が望ましいです。

あまり低速でOFFになる制御にしてしまうとブレーキを踏んだ理由となった対象物(前走車や歩行者など)に近づいた状態でブレーキを踏むことになり危険です。

そのための20km/h以下や10km/h以下など低すぎない速度が良いでしょう。

同時に、シフト操作の際に必ずブレーキを踏まなければシフトできないシステムが必要です。

現代のクルマでは必ずPからシフトする際にはブレーキを踏まなければならないシステムになっています。

しかし多くのクルマはNからR,NからDなどの切り替え時にはブレーキを踏む必要がない車が多いのです。

その為Nの状態から発進するときには一切ブレーキを踏まなくても発進することができ、ブレーキの位置感覚をつかまないまま運転することができてしまいます。

これをNからのシフトでもブレーキを踏まなければギアが入らないシステムにしてしまえば必ずブレーキを踏むことになりブレーキペダルの位置感覚をリフレッシュすることができます。

同時に正しいペダル操作の方法を広めることも必要です。

これはかかとをつけたままアクセルとブレーキを踏みかえる方法で、かかとを支点にすることから踏み間違いが起きる可能性がかなり低くなります。

こうした対策をすればAT車の安全性はかなり高くなるでしょう。

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